原爆で得した日本人

昔土曜日に子どもがミュンヘン補習校へかよい、私が送り迎いをしていた頃のことである。補習校図書館で授業が終わるのを待っていた私は一番上の棚にある「日本の原爆文学」・全１５巻に好奇心をひかれて、その何巻かを手にとって読むようになった。 ■徹底的に抗戦する ある日、私は第１５巻「評論・エッセイ」で長岡弘芳の「原爆文学と戦後ナショナリズム」のなかで著者が引用している次の一節を読んで仰天する。 《、、、突然誰か発狂したのではないかと思われるほど大きな声で「このまま敗けられるものか」と怒鳴った。それに続いて矢つぎばやに「今さら敗けるとは卑怯だ」「人をだますにもほどがある」「何のために今まで辛抱したか」「これで死んだものが成仏できるか」いろんな表現で鬱憤が炸裂する。病院は上も下も喧々囂々全く処置なき興奮状態に陥った。日ごろ平和論者であった者も、戦争に厭ききっていた者も、すべて被爆この方俄然豹変して徹底的

[nekotetumamori]

確かに原爆のお陰で日本は戦争加害国であるという事実が日本人の間になかなか認識されてこなかったよな。

[mind]

クラウゼヴィッツ的な戦争/政治行為から遠い。…スローガンがあっても戦争目標のほうが明確でなかった。政治行為でない戦争は本当は奇妙であり、自国民を観客にした自己表現… ――帝国の内政戦争(軍部の覇権)の面。

[kyuushoku]

『自分と同じ惨禍に遭遇することを世界中に警告しようとするのは、孤立していてそのようなかたちでしか社会と係りあうことができなかったからではなかったのか』

[NOV1975]

なんだかなあ。こういう側面は確かにあるし、語られるべきだと思うし、だからと言って他の見方の価値が減ずるわけでもないよなあ。

[hasenka]

原爆投下が無かったら松代の地下から本土決戦、徹底抗戦して呼びかけていたのだろうか

[bears_nonsense]

当事者の感情の変化を知るのは難しい

[koumokumokuten]

原爆投下を「天災」と同列に置き、倫理的、政治的、法的責任を問おうとしない風土

[biaslook]

　久間発言関連　『自分と同じ惨禍に遭遇することを世界中に警告しようとするのは、孤立していてそのようなかたちでしか社会と係りあうことができなかったからではなかったのか。』

[mobanama]

『戦争に厭であった人々が「すべて被爆この方俄然豹変して徹底的抗戦論者になった」』『大多数の日本人は本土決戦にならなかったことの受益者』『「被爆国民」として得した』『「原爆カード」が効かなくなりつつ』