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『汽笛が聞こえる』: 辺見庸ブログ Yo Hemmi Weblog
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『汽笛が聞こえる』: 辺見庸ブログ Yo Hemmi Weblog
一 顔色のよくない女だった。履歴書には四十三歳とあったが、それ以上に見える。 添付の写真と随分ちが... 一 顔色のよくない女だった。履歴書には四十三歳とあったが、それ以上に見える。 添付の写真と随分ちがう。肌に艶がない。老人は失望した。ということは、なに がなし期待していたということだ。老人は失意を隠し、苦笑も押し殺して無表情 を装う。慣れたものだ。気詰まりになるのを恐れて、女をテラスに誘う。 居間からテラスに出るには五段の階段を上らなくてはならない。茶色のルーバー と同系色のカーテンと窓を開けなくてはならない。窓を開けると右手にスチールの 物置がある。老人が言う。問われてもいないのに。「何も入っていない・・・空」。 女が言う。「人でも入れそうですね。二人ぐらい・・・」。屍体でも置けそうだ、二体 ぐらい。そんな口ぶりに聞こえる。老人が芯のない声でふふふと笑う。ステップで 何かが匂う。嗅ぎ慣れない匂い。樹皮のような。女の体臭か衣服の匂いかわからない。 わかる必要もない。