私の、見知らぬ名古屋 その１「橘宗一（たちばなむねかず）少年の墓所」: 雑司が谷 日乗 Zoushigaya-Nitijou

名古屋の東側は、西側と違い、東京の山の手のような山あり谷ありの丘陵地帯。 東京の山の手が一本筋が違うと全く街の様相が異なるように、 そこもちょっと脇に入ると全く別の世界が広がる不思議な空間だった。 ここは名古屋なのだろうか？ 私の知っている名古屋とは全く違う風景がそこにはあった。 きっかけは、 最近もらったある人からの手紙に「橘宗一少年」という文字を見たことだった。 遠い記憶の底から呼び起こされるように、その名前は静かに私の中に甦ってきた。 大逆事件？いやちがう、大杉栄と伊藤野枝だ、、、 関東大震災時に、後に満映を牛耳る甘粕正彦を初めとした憲兵に 虐殺された大杉栄、伊藤野枝、 たまたまアメリカから帰国していた大杉の甥、橘宗一、当時未だ７歳（満６歳）。 名古屋で彼の墓が発見されたということは、 遠い昔未だ名古屋に居た頃に、報道されたのを記憶している。 しかし、まだ若かった私は「虐殺」という言

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14年8月記事。米国Portlandで移民の子として生まれ、帰国した家族と横浜鶴見に住み、震災被害を見んと赴いた新宿柏木の伯父大杉栄宅付近で伯父夫婦らと共に憲兵に拉致され、麹町署で殺された6歳の少年の墓は、名古屋に。

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日泰寺墓所にあるお墓。「宗一(八才)ハ再渡日中東京大震災ノサイ大正十二年(一九二三年)九月十六日夜大杉栄野枝ト共ニ犬共ニ虐殺サル」