「新しさ」と「懐かしさ」。 というのは、相反する要素なのだろうか。 難しい問題だ。 「懐かしさこそが新しい」、という言い方もあるしね、そもそも完全に切り離せるものでもないのかもしれない。 でも、くるりの新作『THE PIER』を何度も聴いて、僕はなぜこのアルバムがこんなにいいと思うのだろうと考えてみると、結局、そのふたつがあるからなんだと気づいた。 僕にとっての『THE PIER』というのは、「新しさ」と「懐かしさ」だ。 どちらか一方だけでも、きっとこんなに好きにはなっていないと思う。 「懐かしいだけ」のものはセンチメンタルな気分で割り切れば何回かは聴けるが、「新しいだけ」のものは僕は一回聴いてもういいやとなる。 どちらかだけでは、深く長く愛せる作品にはならない。 さて、というわけで、この作品について、そして「懐かしさ」と「新しさ」について、ちょっと書いてみようと思う。 例えば、ミシェル・