東日本大震災で未曾有の被害を受けた東北地方の復興とともに、リスクを分散するために浮上しているのが東北への首都機能分散だ。宮城県の村井嘉浩知事が熱心だが、被災地支援の中継地的役割を果たしてきた山形県の吉村美栄子知事も、山形への首都機能分散について意欲的な発言をした。安全性が首都機能分散の大きな条件となるが、山形は果たして…。一押しの山形 5月の連休明けの最初の記者会見となる10日、吉村知事は、東北地方への副首都機能移転について「首都圏に集中しているものを分散してリスクを軽減させるという視点は重要だ」としたうえで、「安全性でいえば、台風や地震が少なく、この山形は一押しの所ではないか」と述べた。 確かに、多数の死者を出した宮城県や福島県と隣接しているが、山形は目に見える直接的な大きな被害はなかった。安全な山形を頼って、福島県の住民を中心に、ピーク時には避難所56カ所に3834人の1次避難者が生活