古典SFの名作『夏への扉』という作品がある。時間旅行、冷凍睡眠(コールドスリープ)を題材とし未来と過去を行き来するタイムトラベル系のSF小説である。 主人公のダンは不幸のどん底にいた。フィアンセに裏切られ、会社を乗っ取られ、自分の特許も奪われてしまった。そんなダンが相棒の猫のピートと一緒にバアでジンジャー・エールを飲んでいると、自分の目にピカピカ光る広告が飛び込んできた。 「ミュチュアル生命 冷凍睡眠保険」 ダンは思いついた。この悩みを忘れてしまってはどうだ?外人部隊に参加するよりは快適だし、自殺するより清潔だ。ぼくの人生を踏みにじった連中や思い出を完全に遮断できる。今まで思いつかなかったが、これ以上の方法はない。 こうして、ダンは相棒のピートと共に30年後の未来へと旅立つことを決意する。 冷凍睡眠(コールドスリープ) 『夏への扉』では「冷凍睡眠」がSFのアイテムとしてメインの役割を果たす