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ブックマーク / www.ringolab.com (94)

  • 初夜 - 情報考学 Passion For The Future

    ・初夜 喜劇のような悲劇、あるいは、悲劇のような喜劇。イアン。マーキュアン作。 「彼らは若く、教育もあったが、ふたりともこれについては、つまり新婚初夜については、なんの心得もなく、彼らが生きたこの時代には、セックスの悩みについて話し合うことなど不可能だった。いつの時代でも、それは簡単なことではないけれど、彼らはジョージアン様式のホテルの二階の小さな居間で、夕のテーブルに着いたところだった。隣の部屋には、ひらいたドア越しに四柱式のベッドが見える。幅はやや狭めだが、ベッドカバーは純白で、しわひとつなくピンと張り、人の手で整えたとは思えないくらいだった。」 という出だしから始まる。 1962年、まだ保守の空気が濃厚だった英国で、ある夫婦の結婚初夜の事件について、ゆっくりと語られて、それだけで一冊が終わる。歴史学者志望の夫エドワードとバイオリニストのフローレンス。新潮クレストなので終始、上品で

  • 日本語作文術 - 情報考学 Passion For The Future

    ・日語作文術 「書は、高望みはせずに定型的な文章を書くことでよしとする。一定の言い回し(表現の型)を踏まえれば、誰にもそこそこの文章が書ける。文章を書くとは一定のマニュアルに従って定型表現をつなぎ合わせることだ。世の文章指南書のお勧めやタブーにあちらこちらで異を唱えながら、書が説くのは「型」を重視する「パッチワーク的文章術」だ。」 読みやすい、分かりやすい、説得力がある"達意"の文章を書くための指南書。 ・一文を短く書く ・使い古された言い回しを上手に使いこなす ・主観的、曖昧な日語を、英語のように客観的、論理的に書く ・文の単位は長い順で並べる といった指導がある。わかりやすく、誰でも実践できる方法論ばかりだ。 特に曖昧さ回避で、わかりやすくは基だと思う。 川端康成『雪国』の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」は、主語として「汽車」が省略されていると著者は指摘する。英

  • 日本のセックス - 情報考学 Passion For The Future

    ・日のセックス 色モノだけど大傑作。面白い娯楽小説をお探しならぜひ読むべきです。 それにしてもなタイトルなのでカバーをつけないと外で読めませんが、横着な私はカバーはつけないで、帯をずらすことで背のタイトルを隠しながら(日の、だけ見える状態にする)、電車で読んでいました。でも、それだとやっぱり、前の人に「のセックス」を読まれちゃうかもしれないですし、卑猥な言葉ばかりの文が隣からのぞかれちゃうんじゃないかとドキドキで、落ち着きませんから、やっぱりカバーをつけてゆっくり読むしかないですね。あ、ちなみにこれは小説です。 美人のを他人に抱かせることに無上の喜びを感じる佐藤と、そんな変態の夫に従って300人以上に抱かれ、マニアの雑誌への投稿にも同意するの容子(東大卒)。夫につきあわされているようなそぶりでいながら、実は容子も決してキライではないのだ。二人は週末にはスワッピングマニアのコミュニ

  • ホワイトハウス・フェロー―世界最高峰のリーダーシップ養成プログラムで学んだこと - 情報考学 Passion For The Future

    ・ホワイトハウス・フェロー―世界最高峰のリーダーシップ養成プログラムで学んだこと 「ホワイトハウス・フェロー制度は、アメリカに存在する研修制度のなかで明らかに最良のものだ。世界で最も優れた研修制度と言ってもいいかもしれない。この表現はまったく誇張でない。私たちフェローがどういう経験をするか考えてみてほしい。私たちはアメリカ政府の中枢で一年間過ごす。どこへでも好きな場所に出張し、誰でも好きな人物と会える。週に三日はアメリカの最重要人物たちと事をし、質問したいことはなんでも質問できる。こんな制度は世界のどこにもない。まったくない。」元国務次官補、元ホワイトハウス・フェローのダニエル・サリバンの言葉 とてつもなく厳しい選考試験で選ばれたアメリカの若きエリート十数人が、一年間、政府の最高レベルの中枢で働く機会を得る。彼らは大統領や省庁のトップを補佐しながら、物のリーダーシップを学ぶ。 研修期間

  • 視覚デザイン - 情報考学 Passion For The Future

    ・視覚デザイン 「デザイナーには誰でもなれる。今は優れたパソコンソフトがあるので、ある程度のものは容易に制作できる。しかし、視る人にとって見やすいものであるかどうかは、別物である。デザイナーを目指す方は将来の基礎を作るために、ぜひ絶対基礎である視覚デザインを習得してほしい。」 視覚の原理、視覚デザインの歴史、視覚構成、視覚心理、デザイン基礎技法の5章からなる視覚の教科書。著者はデジタルクリエイターを育成するデジタルハリウッド大学でトップクラスの人気を誇る南雲 治嘉教授。 ラスコーの洞窟画からWebまでカラー写真の資料満載で図鑑のようだ。眼の構造や知覚の仕組みの説明から始まっている。視ることと視せることのベーシックを学生にわかりやすく伝える。 「見かけはカッコいい作品でも、ベーシックがないと、どこか粗悪な匂いがする。また若いデザイナーが2~3年で壁にぶつかり、悩むことがある。多くの場合、その

  • ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! - 情報考学 Passion For The Future

    ・ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! 著者はスパコン界のノーベル賞といわれるゴードン・ベル賞の設立者のゴードン・ベル人とマイクロソフトの上席研究員のジム・ゲメル。前書きはなんとビル・ゲイツが書いている、「指先に情報を」のコンセプトを一番最初に提唱したのは俺だ、と。 ライフログとは、人間の個人的な活動のあらゆる面を記録し、保存し、検索できるようにするテクノロジーのこと。ライフログはトータルリコール(完全な記憶)を実現する。人生のすべての情報をクリックで呼び出すことができるし、保存したデータ分析によって、傾向を把握できるだけでなく、リスクやチャンスの予兆をとらえることができる。生活も人生も大きく変わる。ケータイにつぐイノベーションになるのかもしれない。 むろん、テクノロジーの負の側面も懸念される。現在マイクロソフトの研究員もしているゴードン・ベルは、 「みんなが目指す

  • 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 - 情報考学 Passion For The Future

    ・20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 著者のティナ・シーリグはシリコンバレーの中心に位置するスタンフォード大学で、学生に起業家精神を教えるアントレプレナー・センターのエグゼクティブ・ディレクター。「機が熟すことなどない」「早く何度も失敗せよ」「及第点でなく最高を目指せ」「ルールは破られるためにある」。集中講義を書籍化した書は、たとえ20歳でなくても、挑戦心を焚きつけられるメッセージがいっぱい見つかる。 スタンフォード大のようなエリート養成校で、こうした「異質なこと」をする能力を魅力的に教えるコースがあるということが、アメリカのイノベーション創出能力(アップルやグーグル)の源泉にあることは間違いない。 情熱とスキルと市場が重なり合うあなたにとってのスウィートスポットを探せ、という。それは趣味仕事の境がない世界。「ライフワークバランス」なんていう軟弱発想とは無

  • 代替医療のトリック - 情報考学 Passion For The Future

    ・代替医療のトリック 現代のタブーに真っ向勝負。 『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『ビッグバン宇宙論』を著した現代最高の科学ライター サイモン・シンが、次はどんな定理に挑むかと思ったら、意表をついて「代替医療」を斬るを出してきた。ドイツの代替医療研究の大学教授と組んでの共著。翻訳はサイモン・シンの名訳を生み続けてきた青木薫氏。 まだ「代替医療」という言葉が一般にわかりにくい気がするのだけれど、要は、鍼、ホメオパシー、カイロプラティック、ハーブ治療などを指す。代替医療のほとんどは科学的にはインチキで治療効果はまったくないという事実を科学的に明らかにしただ。それらを職業や商売にしている人たち(国内でも何十万人もいるだろう)に死刑宣告をしたようなもので、かなりヤバイかもしれない。今後、論争が起きそうだ。 やり玉に挙げられるのは、ホメオパシー、鍼、カイロプラティック、ハーブ療法、アロマセ

  • 2009年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 - 情報考学 Passion For The Future

    2009年にこのブログで紹介した小説・創作作品の中から、これは当によかったと思うランキングで1ダース並べてみました。私が2009年中に読んだというのが基準なので、昔に発表された作品もかなり含まれています。 小説に順位をつけるのは難しいのですが、1位は万人におすすめできるということで選びました。URLをクリックすると書評エントリへ、表紙画像をクリックするとアマゾンへ飛びます。 ・2008年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/01/2008-3.html ・2007年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/01/2007-5.html ・2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http:

  • 2009年度 書籍売り上げランキング ベスト20 - 情報考学 Passion For The Future

    今年このブログの紹介記事を経由してAmazonで販売されたの売り上げ冊数ランキングです。1位はもちろんアレなのですがどうもありがとうございました。 ・2008年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/12/200820.html ・2007年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/12/200720.html ・2006年度 書籍売り上げ ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/01/200620.html ・2005年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2005/12/200520.html ・2005年

  • 2009年のはてなブックマーク数ランキング - 情報考学 Passion For The Future

    2009年に書いた記事に限定して、各記事のはてなブックマーク数を調べました。アテンションエコノミーのネット空間上で目を引くタイトルとは何かを、毎年、このランキングを見て考えています。 1位 なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-1000.html 2位 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/07/post-1028.html 3位 裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/09/post-1064.html 4位 借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還

  • ヘヴン - 情報考学 Passion For The Future

    ・ヘヴン 第138回芥川賞の川上未映子が、壮絶ないじめを受ける少年と少女の心の葛藤を描いた衝撃的な作品。 「ねえ、でもね、これにはちゃんとした意味があるのよ。これを耐えたさきにはね、きっといつかこれを耐えなきゃたどりつけなかったような場所やできごとが待ってるのよ。そう思わない?」と少女は、同じようにいじめられている少年に言う。 なぜ人は誰かをいじめるのか? なぜ人をいじめてはいけないのか? この作品は問いかける。 いじめにかかわる双方の張りつめた対話が続く。登場人物はいじめる側も、いじめられる側も雄弁に自分の立場を語る。現実にはこれだけ気持ちを整理して話せる少年少女はいないだろうが、その超現実的につきつめたやりとりが、いじめ問題の質を白日のもと晒す。朝まで生テレビで一晩議論するより、この作品を読んだ方が、いじめとは何かがよくわかるはず。その根の深さにやりきれなくもなるのだが。 社会問題の

  • 学問 - 情報考学 Passion For The Future

    ・学問 当に素晴らしい。ストレートに心にじーんときてしまう感動小説である。山田詠美の大傑作。とりあえず今年これだけは読んでおけ的な、絶対いちおし作品。 東京から引っ越してきた仁美、包容力のあるリーダー格の心太、べ物に目がない無量、眠ることが好きな千穂。仲良し少年少女4人組が海辺の平和な町で過ごした小学校から高校までの日々が語られる。 テーマは性と生だが、質はまっすぐな青春小説だ。 やがて芽生える性の衝動。 「まったくセックスというやつは、どれほど多くの枝葉を携えているものなのでしょう。幸せに喜ばせ合う夜もあれば、怒りを噴出させる昼もある。神聖な儀式にも、しこしこの鍛錬にも配属される。まったく、油断も隙もありゃしない」 欲望にときには翻弄されながらも、しっかり自分を持って人を愛することを覚えていく少年少女の成長がまぶしい。欲望の奴隷ではなく、欲望の愛弟子になる。だからそれは学問。 「元

  • 米原万里の「愛の法則」 - 情報考学 Passion For The Future

    ・米原万里の「愛の法則」 作家、エッセイストでロシア語同時通訳者でもあったの米原万里の講演録集。 1目「愛の法則」は女は男を次の3つに分類するという話。 A ぜひ寝てみたい男 B まあ、寝てもいいかなってタイプ C 絶対寝たくないタイプ で、世の中カテゴリCが90%を占めている。歴史的に見ても、女性は多くの男を競わせて優秀な一人を選ぶことになっている、竹取物語やかえるの王子など、女が主人公の物語では普遍的にそういう法則があるでしょう、という。その理由を性淘汰による進化論的視点や社会学的なキーワードで読みとく。 2目の講演は、ロシア語通訳でもあった著者らしく国際関係論。 グローバリゼーションとは、イギリスやアメリカが、自分たちの基準で、自分たちの標準で世界を覆いつくそうとすること。国際化とは、世界の基準に自分をあわせようとすること。めざすべきはどちらでもないのではないかという話。 「これ

  • フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略 - 情報考学 Passion For The Future

    ・フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略 ワイアード編集長で「ロングテール」概念の提唱者のクリス・アンダーソンが、ネットビジネスの「フリー」戦略を分析した。 「そして二十一世紀はじめにいる私たちは、新しい形のフリーを開発しつつあり、それが今世紀を定義づけるだろう。新しいフリーは、ポケットのお金を別のポケットに移しかえるようなトリックではなく、モノやサービスのコストをほとんどゼロになるまで下げるという、驚くべき新たな力によっている。二十世紀にフリーは強力なマーケティング手法になったが、二十一世紀にはフリーがまったく新しい経済モデルになるのだ。」 実体のあるモノをフリーにするのは限界があったが、デジタルコピーは何百万でも無料で配ることができる。しかも現実世界の流通と違って、何百万人に配布してもたいしたコストにならない。少数の有料顧客や、ビジネスの受益者が支払うコストによって、大勢に無料で商品

  • 「空気」と「世間」 - 情報考学 Passion For The Future

    ・「空気」と「世間」 「空気を読め」の空気とは何か。「世間体」が悪いの世間とは何か。演出家 鴻上尚史が阿部謹也の「世間」論と山七平の「空気」論を融合した。自分に関係のある世界のことを「世間」と呼び、自分に関係のない世界のことを「社会」と呼ぶ。「世間」が流動化してカジュアル化して現れたのが「空気」である、という定義をする。 欧米人は社会に属する人とつきあうことに比較的慣れている。日人は見ず知らずの人に話しかけることが苦手だ。身内の空気の中に生きていると、冷たい水の社会(山七平は水=通常性と呼んだ)の論理がわからなくなる。会社や日を一歩出たら、そこは水の社会が広がっているのに。そこで空気の支配に対応するため「水を差す」役割の重要性が指摘されている。「王様は裸だ!」と指させる子供という、立ち位置が大切なのだ。 現代は地域共同体と会社という二つの世間の安定が壊れた。「世間と神は弱い個人を支

  • 人は勘定より感情で決める - 情報考学 Passion For The Future

    ・人は勘定より感情で決める 今年は行動経済学が大流行した。人間の不合理性を明らかにするものが多くてどれも興味深い。しかし多くは学者が書いたものだから、読んだあと仕事にどう活かす?が問題だった。その点、このは日産の現役マーケターが書いている。行動経済学の諸理論を、実際のビジネスシーンにどう応用するか、実践のヒントが多数示されている。学者のとは一線を画する実用指向が特徴。 たとえばメールの書き方。同じ事実を伝えるにしても、 「調査で4人に3人が選ばなかったことがわかった」 「調査で4人に1人は選んだことがわかった」 前者だとネガティブな印象、後者だとポジティブな印象になる。物は言いようである。人間の心理バイアスをうまく利用して、交渉を有利に進めたり、対立をうまないですます方法が、数十個の理論に基づいて、提案されている。オークションで同じものをより高く売る説明文の書き方(しかも詐欺的でな

  • 勝てる広告営業 - 情報考学 Passion For The Future

    ・勝てる広告営業 このは好きだなあ。全編に共感。 書店でぱらっとめくったページにあった文章にひかれた。 「クライアントでの会議で沈黙が3秒以上続いたら、広告営業が口火を切り、沈黙を破ること。 これは営業としてのマナーの問題です。」 ベテラン広告営業マンの著者が語るプロフェッショナルの流儀。 「もちろん、来営業として一番良いのは、日々のコミュニケーションだけでアカウントを取り「戦わずして勝つ」ことです。その次に良いのが、プレゼンになったとしても「戦う前から自分たちの勝ちを確信できる状況」」に持っていけていること。「自分の会社にこの仕事が落ちてくる」という土壌がすでにできている状態です。」 広告営業は形のない物を売る。クライアント、メディア、クリエイティブなど関係者の調整が重要な仕事だ。ロジカルなだけではうまくいかない。ロジカルでありつつも、良好なコミュニケーションをベタに維持していくこと

  • 理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 - 情報考学 Passion For The Future

    ・理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 ゲーデルの不完全性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、アロウの不可能性定理。それぞれを数学と論理学の限界、科学の限界、民主主義の限界と言いかえることもできる。3つの限界から、人間は何をどこまで、どのようにして知ることができるかを、仮想的なシンポジウム形式で議論する。 仮想的な登場人物は"司会者"と数十名。"大学生""会社員""哲学者""数学者""情報科学者""科学史家""論理学者""方法論的虚無主義者"など、それぞれの立場から、限界に対する意見が表明される。専門的な話も、大学生や会社員がわかるように、司会者が誘導する。 ノーベル経済学者のアマルティア・センは、理性の限界を認識せず、既存の合理性ばかりを追う人を「合理的な愚か者」と呼んだそうだが、ほとんどの現代人は愚か者に該当してしまうだろう。なぜ知ろうとしないかと言えば、知っても知的好奇心を満た

  • Passion For The Future: 歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか

    歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか スポンサード リンク 非常に勉強になりました。 ・歴史の方程式―科学は大事件を予知できるか 評価:★★★★☆ ■大事件の発生は一つの方程式で説明できる 「戦争や革命など歴史的大事件にはすべて原因がある(決定論)」「好景気と不況は周期的にやってくる(周期発生論)」「100年おきに大地震が発生する(これも周期発生論)」「ある英雄の強い意思によって偉業は為される(自由意志論)」 大きな出来事を前にすると、上述のような考え方で私たちは歴史を物語として理解したがる傾向がある。このは、そんな通説を間違っているとして、物理学のアプローチで鮮やかに切り崩していく。 種の絶滅、大地震、戦争、革命、経済恐慌、科学的なイノベーション。著者は、歴史上の大きな出来事を、物理学の世界で一般的に見られる、臨界状態からの相転移過程に働く冪乗則(グーテンベルク=リヒター則など)で