鈴木 敏夫(すずき としお) 1948年生まれ。慶応大学文学部卒業後、徳間書店に入社。雑誌「月刊アニメージュ」編集長を経て、85年、スタジオジブリ設立に参加。「ハウルの動く城」をはじめ、数々のジブリ作品のプロデューサーを務める 来年7月公開のスタジオジブリの新作が「ゲド戦記」であることが発表された。アーシュラ・K・ル・グウィン原作の名作ファンタジーが初めて映画化されることや、宮崎駿監督の長男で「三鷹の森ジブリ美術館」前館長の吾朗さんが初監督を務めることで、早くも話題となっている。企画を立ち上げた場所だというスタジオ近くの“秘密の部屋”で鈴木敏夫プロデューサーに聞いた。(依田謙一) ――なぜ今、「ゲド戦記」だったのですか。 鈴木 もともと宮(崎駿)さんが熱心に読んでいた作品です。その影響もあって僕も読んでいて、「風の谷のナウシカ」(1984年)を作る前からずっと映画化したいと思っていました。
奇想に満ちた壮大な物語 全65章、ほかにプロローグとエピローグ、4部中の第2、3、4部の初めに「間奏曲」、第1、2、3部の終わりには章の数に入らない短い章がつく。まずはこのボリュームに圧倒されるが、読みはじめると、卓抜な構成と奇想に満ちた物語に没入して、長さを意識しなくなる。壮大で知的なエンターテインメントである。 プロローグは、天上界での天使同士の会話。下位の天使が「任務を完了した」と報告し、人間の年にして70年をかけて、ある〈火の粉〉を地上に送りだした経緯を語る。この会話は、その後も各部の間奏曲や結末の短章へと続き、通して読むと、彼らがモーゼの十戒を天国に取り戻すことを意図し、そのための「使者」を生みだすべく、人間界に介入していたことがわかってくる。その第一歩が、1967年2月、やがて「使者」となる少年クインテンの、父たち、マックスとオノを出会わせたこと。なぜ父が複数なのか、「十戒を取
米国のカウンターカルチャーのシンボル的小説家、リチャード・ブローティガン(1935〜84)の最後の小説『不運な女』が新潮社から翻訳出版された。生前交流もあった訳者の藤本和子さん(66)に話を聞いた。(山内則史) 本作は84年にピストル自殺した作家の遺品の中から一人娘によって発見され、94年に仏訳版、2000年に英語版が刊行された。この作家の小説を9冊訳してきた藤本さんは、本作を翻訳する当初、迷いを感じたという。 「小説の語り手は、衰弱しつつある人。最後の小説ということでブローティガン本人の衰弱と重ねてしまいそうになる。けれど、これはフィクションによって創り上げられた人物。そこをしっかり意識したとき、訳すことができました」 サンフランシスコ、カナダ、バークリーと旅する47歳の零落した孤独な男による、断章的な旅の日記だ。彼は首をつった女のことを何度か語ろうとするのだが、ついに語りえぬまま、作品
未踏RNA、研究の潮流に 生命科学は従来、「DNAがRNAを作り、RNAがたんぱく質を作り、たんぱく質が生体を作る」という一連の流れを、セントラル・ドグマ(中心定理)としてきた。たんぱく質を作らず、役割の不明な部分はジャンク(がらくた)DNAと呼び、軽視してきた。 ところが今回、「がらくた」は全体の約3割に激減した。解析が進むほど、この部分は減り、研究チームの最新の解析結果では、18%まで低下しているという。 一方、研究成果は「たんぱく質を作るものだけが遺伝子」という狭い概念にも再考を迫る。研究チームはRNAが作られる領域を「森」、作られない領域を「砂漠」にたとえ、遺伝子の定義を、たんぱく質を作るかどうかではなく「RNAを作るもの」に拡大した。 従来のイメージでは、遺伝子は広大な砂漠のオアシスのようにゲノム上に散在していた。研究チームの描くゲノムの実像は、豊かな森と森の間に、小さな砂漠
【ニューヨーク=大塚隆一】村上春樹氏=写真=の長編「海辺のカフカ」の英訳版「Kafka on the Shore」が米紙ニューヨーク・タイムズの選ぶ「2005年のベストブック10冊」に入った。同紙の電子版が30日発表した。 同紙の書評欄担当編集者がフィクションとノンフィクションの部門から5冊ずつ選定したもので、短評では「気品が漂い、夢見る知性が求められる小説」「力強い確信に満ちた作家の作品」と絶賛。今年1月に刊行された英訳版は米英の主要メディアがこぞって書評で取り上げ、2月には同紙のベストセラー入りも果たしていた。村上氏は米国でも小説家として確固たる評価を固めたと言えそうだ。 (2005年12月2日 読売新聞)
学習障害や注意欠陥多動性障害などの発達障害を持つ人と家族を支援する「日本発達障害ネットワーク」が、来月3日に発足する。発達障害全般に関する全国組織は初めて。 今年4月に発達障害者支援法が施行されたことを受け、実効性のある支援が各地に広がるよう、障害の種類や地域別に活動している団体が連携することにした。全国LD(学習障害)親の会、日本自閉症協会など5団体が発起人となり、1年前から準備を進めてきた。すでに約20の団体・学会の加盟が決まっている。 都道府県・政令指定都市を対象にした支援の取り組み状況の調査、中央省庁や自治体への要請活動、公的施策への提言、市民への啓発活動などを行う。 3日午前10時半から、東京都武蔵野市の成蹊大学で設立記念フォーラムを開く。事前申し込みは3000円、当日4000円。問い合わせは、日本自閉症協会((電)03・3545・3380)。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く