ひとことで「イスラム原理主義」といっても、過激派から穏健派まで、世界各地にさまざまな集団が存在しています。そもそも「イスラム原理主義」とは何を指し、それぞれの集団はどこに違いがあるのでしょうか。中東研究家の尚子先生がわかりやすく解説します。 イスラム原理主義とは、イスラム教徒(Islamic)と原理主義者(Fundamentalist)という2つの用語をたして作られた言葉ですが、現在ではひろく、聖典コーランやイスラム法に基づいて国家や社会を統制すべきと主張している人々の総称として使われています。 イスラム原理主義者と呼ばれている集団としては、エジプトやヨルダンのムスリム同胞団や、パレスチナのハマス、レバノン・シリアのヒズボッラー、アフガニスタンのタリバン、イラクとシリアのIS(イスラム国)や世界各地のアルカイダ、ナイジェリアのボゴハラムなど、穏健的な集団から暴力行為を厭わない集団まで多様で
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