印刷 「KOTOKO」塚本晋也監督 歌手Coccoを主演に迎えた塚本晋也監督の「KOTOKO」が公開中だ。主人公は過剰な母性ゆえに精神に変調をきたす琴子。Coccoという個性豊かな演技者を得て、塚本監督はただならぬ緊張感を生み出すことに成功している。 「Coccoさんの歌が好きで、一度彼女の世界をのぞいてみたかった」と塚本監督。テーマを考えていた時、7年介護してきた母が亡くなった。「その時、1児の母であるCoccoさんの母性にスポットを当てようと思いました」 琴子は一人で幼い息子を育てている。彼女には、周囲の人間が善意と悪意の2通りに見える。息子を守るため、彼女はどんどん過敏になり、ついには息子と引き離されてしまう。 物語は、塚本監督がCoccoに取材する中で形になっていった。彼女のエッセー「コトコノコ」(幻冬舎)の中に「自分の子が知らない所でひどい目に遭うくらいなら私の手で死なせ