上席主任研究員 長島 直樹 2008年4月 要旨IT企業を中心に、利用者メリットに応じたサービス価格の設定、すなわち”バリュー・プライシング”への意識が高まっている。これに関し、SEとコンサルタントからのヒアリング、及び消費者向けサービスに関するアンケート調査を行い、以下の知見を得た。 コンサルティングやシステムインテグレーション(S.I)といったプロフェッショナル・サービスにおいて、契約時点でのバリュー・プライシングは、現状では困難である。これは、顧客、提供側ともメリットを事前に把握することがほぼ不可能であるという事情による。したがって、バリュー・プライシングを目指すのであれば、「成果報酬型」の価格設定にならざるを得ない。サービスの利用者もどちらかと言えば、「価格は利用者メリットを反映しているべき」と考えるのが多数派である。ただ、コスト重視派も無視できない割合で存在する。「コストを反映す