先週末のこと。筆者はサラ・ペイリン氏の回顧録『Going Rogue(ならず者として生きる)』を苦労しながら読み進めているうちに、どうして米国の保守主義はこんな風になってしまったのか、という疑問にとらわれた。 この本は何とも独りよがりで、軽々しく、国家主義的で、独自の思想というものが全く見当たらないのである。 なぜこの女性が米国右派の星になったのか。どうしてこれほどの人気を集め、2012年の大統領選挙で共和党候補に指名される最有力候補だとするブックメーカーまで登場することになったのだろうか。 そうこうするうちに、筆者ははたと気がついた。共和党の堕落は故ロナルド・レーガン元大統領とともに始まったのだ、と。 妙な話だと思われるかもしれない。何しろレーガン氏と言えば、大統領選挙で2度勝利を収めた保守派の英雄だ。しかし実を言うと、「レーガン主義」として今日知られる思想は、保守主義で最も重視される価