WSJによれば、アメリカ経済はデフレになるおそれが強いという。現在の激しいdeleveragingを見ると、現金の供給が需要をはるかに上回っているので、すでにデフレ局面に入っている可能性がある。バブル崩壊は短期的な現象だが、このデフレの扱いを誤ると不況が長期化することは、日本経済の貴重な教訓だ。 デフレが起こるのは、クルーグマンのいうように「均衡実質金利がマイナスになる」ためで、その原因は地底人のいうように過剰債務の返済(企業の純貯蓄)だが、これは彼らの信じているような新理論ではない。アーヴィング・フィッシャーは1930年代にdebt deflationによって自然利子率(均衡実質金利)がマイナスになる可能性を指摘し、ケインズは『一般理論』(p.357)にこう書いた:Gesellは、実質資本の成長は名目金利によって制約されると論じている。[・・・]これを解決する方法として彼が提案したのが