カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の実験室で、1組の夫婦が睡眠の秘密を解き明かすための研究を行っている。遺伝子を一つひとつ調べながらだ。 ルイス・プタチェック氏はなぜ早寝早起きの人――推計で人口の3%に上る――がいたり、宵っ張りの人がいたりするのかを遺伝子の面から研究している。 妻のインホイ・フー氏は別の現象を研究している。人口に占める割合は1%未満と少ないながら、異常に短い睡眠しかとらない人がいるのはなぜか、という研究だ。「ショートスリーパー(短眠者)」と呼ばれるたくましき人々は6時間未満の睡眠でも生物学的に問題なく過ごすことができ、しかも朝はすっきり目覚めている。 プタチェック氏は、体の周期リズム――睡眠や食事から循環器系の機能にいたるまで全ての生物としての働きをつかさどる体内時計――を変える薬剤の試験投与を間もなく開始したいと考えている。こうした薬剤は例えば時差ぼ