入院患者向けの治療食を製造する会社で、仕事をしていた時の話。 病院給食といえば、味は薄い、献立も魅力がない、まずい、という先入観が定着している。 が、中身はしっかりしていて、国家資格である管理栄養士が献立を立て、また患者に対し栄養指導を行うことが法律で義務づけられている。 病状に応じて制限されるミネラルや栄養などを計算し、また必要なカロリーや栄養を充足させ、その上で1食あたりのコストを経営的な要求に収める必要もある。 その上でもちろん、患者さんを食事として楽しませる技術も要求される。 それはとても、高度な仕事だ。 だが、どれだけ栄養的に基準を満たし、コストの範囲内に収めても、パンに味噌汁を添えて出したら患者さんはやはり怒り出す。 そこには患者さんを楽しませる、「ノウハウ」が不可欠だ。 だから、どんな国家資格にも言えることだが、資格を取り立ての新卒がすぐに通用するような現場ではない。 多くの
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