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ブックマーク / cruel.org (13)

  • シューレス・ジョー・スティグリッツ

    シューレス・ジョー・スティグリッツ:頂点に立つ叛乱児 ジョナサン・チャイト Jonathan Chait, "Shoeless Joe Stiglitz," The American Prospect vol. 10 no. 45, July 1, 1999 - August 1, 1999. 要約:1990 年代末から 2000 年代初期にかけてのクリントン政権と世界銀行におけるスティグリッツの活躍。政治的配慮まったくなしの罵倒と活躍ぶりは、いい面もあったが悪い面もあった。ちなみに当人による回想記も絶品なので必読。 ジョセフ・スティグリッツは、クリントン大統領の権力集団の中ではあまり人気がないはずだ。かれが 1993 年にワシントンにやってきて、クリントンの経済諮問委員会(CEA) に加わったとき、かれは自分が思うべきだとされる公式見解ではなく、当に思っていることを口に出してしまうとい

  • The Economist: 貧困者は減っている

     世界の経済格差 格差は増えたか減ったか? Mar 11th 2004 From The Economist print edition 世界の経済格差は悪化しているのか改善しているのか? 資主義批判者は、世界中の貧富の格差はどんどん拡大していると思いこんでいる。かれらにとって、この主張はほとんど信仰告白に等しい。経済格差の拡大は、「システム」の道徳的破産の確固たる証拠である、というわけだ。経済格差が広がっていてもそれが資主義をこうして批判する理由になるか、というのはそれ自体考えてみるべき問題ではある。そしてそれを疑問視すべき理由もある。だが、もっと狭い事実を巡る問題の答を知るのも興味深いことだ。資主義が世界の経済格差を悪化させるというお馴染みの主張は、当にホントなんだろうか? 残念ながら、一見すると素直なこの質問は、思ったよりも答えるのが難しい。困難の元は大きく三つある。第一の

    fujikumo
    fujikumo 2007/05/21
    <中国とインドが…90年以降は特に急成長したことを考え、さらにこの二ヶ国で世界の貧困者の相当部分を占めることを考えれば、グローバル資本主義批判者たちの願うほど貧困や経済格差について悲観的になるのは>難しい
  • やっぱり貧乏人は合理的でないのかもしれないよ。

    (The Economist Vol 383, No. 8526 (2007/04/28), "Economic Focus: Another day, another $1.08," p. 90) 貧乏人は減りつつあるし、その貧乏にでさえ選択の余地はある――最善の選択をするとは限らないかもしれないけれど。 今月、世界銀行は、一日一ドル以下で暮らす人の数が 2004 年には 9.86 億人だったと発表した――これはそうしたひどい状態で暮らす人の数が 10 億人を下回った初めての年となる。世界銀行の極度な貧困の定義は、明快で単純で、dollar a day と d の続く頭韻にさえなっている。Journal of Economic Perspectives最新号で、マサチューセッツ工科大のアブジット・バナジーとエスター・デュフロは、これをレトリック的な名作と呼んでいる。だがこれはそんなにいい

  • 再生可能エネルギーは補助金次第のバブル

    (The Economist Vol 381, No. 8504 (2006/11/18), "Tilting at windmills" pp. 72-74) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) クリーンエネルギー商売は次の投資ブームになりつつあるけれど、リスクがあまりに軽く見られている。 ごく最近まで、ベンチャー資家たちは情報技術の大将たちのご用聞きに忙しくて、自分たちのような「ヒッピーもどきのエコロ連中」なんぞで時間を無駄にしたりはしなかった、と太陽光ビジネスで 30 年のベテラン、チャーリー・ゲイは回想する。でもいまやエコロ連中が上り調子で、IT長者たちはクリーンエネルギー技術投資に精を出している。 その一人がシリコンバレーの有名な投資家ヴィノッド・コスラ (Vinod Khosla) だ。かれは次の大きな山はエタノールだと旗を振っている。ゲイ氏が働くアプ

    fujikumo
    fujikumo 2006/12/02
    <今や日本は、「補助金なしでも顧客が太陽光発電システムを買い続けた」初の市場…だが…誤解を招くものだ。日本での電力小売価格は世界で一番高いものの一つだから、太陽光発電が競争するのもずっと簡単だ。>
  • Japanese Bureaucrats: What's the Story?

    (ただし掲載文はさらに改訂が加わっている。また、同誌収録の各種インタビューなどは、官僚実像理解にたいへん役立つので必読) 1. 官僚は優秀か? 次のような官僚批判を耳にしない日はないといっていい。 「戦後 50 年。日の再建は官僚主導の保護貿易によって成功したものの、一度作られた保護主義を解放することは難しく、日の改革は、10 年遅れたといわれる〜Japan-bashingから Japan-passing そして Japan-nothing とさえいわれるようになった。バブルや住専問題のつまずきはその象徴であり、官僚の中の大物といわれる官僚があいついで汚職で摘発されるのは官僚の権力とおごりの結果である〜かくて官僚主導経済を是正しなければならない」(加藤寛『官僚主導国家の失敗』東洋経済新報社、1997年) しかしながら、筆者は現在の不況の責任を官僚に負わせるとしたら、またそもそも日の経

    fujikumo
    fujikumo 2006/09/21
    <しかしながら、筆者は現在の不況の責任を官僚に負わせるとしたら、またそもそも日本の経済成長が保護主義の故だというなら、それは官僚の「過大評価」であると考えている。>
  • 原油は枯渇しませんったら。

    底なしのビールジョッキ ------世界の原油が枯渇しそうにない理由 (The Economist Vol 375, No. 8424 (2005/04/30), "A Survey for Oil" 所収の "The Bottomless Beermug," pp. 13-15) 「石油は人の心の中にあるのよ」というのは、アメリカの産油地帯でよく見かけるバンパーステッカーだ。これには一理ある。ダニエル・ヤーギンはピューリツァ賞受賞の石油史『石油の世紀』を書いたが、かれは石油の歴史が驚異的なイノベーションの連続だと論じている。1859 年にはエドウィン・ドレイク大佐が、露天掘りではなく掘削によってペンシルバニアで石油を掘り当てた。これは古代中国の塩掘削の技法を応用したものだった。これが世界初の原油バブルを引き起こし、当然ながら原油が市場にあふれて価格が暴落してバブルは破裂した。 1901

    fujikumo
    fujikumo 2006/09/12
    <1971 年以来、確認埋蔵量は 1.5 兆バレルも増えています。同じ 35 年間で消費された原油量は、0.8 兆バレルにすぎません。…なぜ推計埋蔵量が増えるかと言えば、それは絶え間ない経済と技術革新の組み合わせだ。>
  • ユーロは貿易にあまり影響してないよ。

    (The Economist Vol 379, No. 8483 (2006/6/24), "Economic Focus: The euro and trade," p. 90) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) 通貨統合のメリットと称されるものは、実はかなり小さかった。 ヨーロッパ通貨統合という大胆な実験についてはまだ論争が続いているが、少なくともそのコストと便益がどこらへんにあるかについては、多少なりとも合意ができている。コストはマクロ経済的なもので、メンバー国の個別の経済状況にあわせて金利を設定できなくなるということだ。便益はミクロ経済的なもので、貿易や経済成長が拡大する可能性だ。なぜ拡大するかといえば、各国の通貨を両替するコストや、為替レートの不確実性が取り除かれるからだ。 たとえば 2003 年にイギリス財務省は、フランクフルトの設定した金利でやってい

    fujikumo
    fujikumo 2006/07/09
    <コストはマクロ経済的なもので、メンバー国の個別の経済状況にあわせて金利を設定できなくなるということだ。便益はミクロ経済的なもので、貿易や経済成長が拡大する可能性だ>
  • 経済フォーカス:労働市場を改善するには。

    (The Economist Vol 379, No. 8475 (2006/6/17), "Economic Focus: Intricate Workings," p. 86) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) 失業を改善するには、各種政策を慎重に混ぜ合わせねばならない。 OECD の新しい雇用戦略 12 年前に、OECD は『雇用戦略』 (Jobs Strategy) を発表した。これは政府(おもにヨーロッパの)が、高止まりしている失業率を減らすのに使えそうな提言を一覧にしたものだ。それはごく短いものだった。ポイントは10点、そして 200 語以下だった。今週、OECD はこの戦略を「述べ直した」が、長さは 6 倍、提言ポイントは20点、そしてそれが4つの「原則」のもとに置かれるようになった。追加の文言は、一部はただのお飾りだ。が、一覧が長くなった理由の一部

    fujikumo
    fujikumo 2006/06/26
    <失業手当を増やすんなら、そいつらに仕事を見つけさせる…プログラムにも金をつけるべき。…経済全体の活性を考えるべき。製品市場が規制されすぎていたら、企業は身動きがとれずに人も雇えない>
  • 問題は食料不足ではなくて貧困なのです。

    (The Economist Vol 376, No. 8440 (2005/08/20), "Economic Focus: Desititution not dearth," p. 53) 「貧困についての相当部分は、一見して明らかなものだ。ややこしい基準や怪しげな尺度、詳細な分析などなくても、むきだしの貧困はすぐにわかるし、その対抗策もわかる」。これは世界で最も著名かつ尊敬を集めている経済学者であるアマルティア・センが、1982 年の古典的論文「貧困と飢餓」で述べたことだ。しかし、このでセン教授が述べた理論は、一見して納得できるような当たり前のものではなかった。世界最悪の飢餓の一部は、糧供給が大して下がらないのに起きた、というのだ。 セン教授がこれを示すのに使った事例は、1968 年から 1973 年にかけてアフリカのサヘル地域で猛威をふるった飢餓だった。サヘルというのはアラビア

    fujikumo
    fujikumo 2006/05/22
    <大量飢餓が食料不足のせいで起きるのではなく、購買力の暴落で起きるのであれば、これを防止するには緊急食料空輸は要らない。必要なのは、たとえば公共事業で…失われた購買力を回復させることだ。>
  • 木を盲信してはいけません。

    (The Economist Vol 376, No. 8437 (2005/07/30), "Down with trees," p. 70) 一般に、木は環境によいと思われている。木は二酸化炭素――温暖化ガスの一つ――を大気から吸収し、炭素を固定して酸素を放出するので、森林は「地球の肺」と呼ばれたりする。木の根は地中の水分や養分を固定し、近くの川がきちんと流れるようにする。木はまた、そうした川の流量を雨期と乾季でそこそこ一定にさせて、干ばつや洪水を防ぐので偉いのだ、とされてきた。今週刊行された2つの研究は、これが悪質なナンセンスだよ、と述べている。 一つはイギリスのニューキャッスル大学とオランダはアムステルダムの自由大学の研究者たちが率いる国際研究で、森林と水との関係に関する神話をいくつか指摘している。たとえば、乾燥地や準乾燥地では、樹木は固定するより遙かに大量の水を消費する。そして水

    fujikumo
    fujikumo 2006/05/22
    <木も生長したり生きたりするのに水を(かなり大量に)使うのです。したがいまして、水の絶対量が少ないところに木を植えると、状況はかえって悪化するのでございます。>
  • アフリカを貧困から救うすばらしき7箇条

    アフリカ貧困から救うすばらしき7箇条。 (The Economist Vol 379, No. 8475 (2006/4/29), "The magnificent seven," pp. 49-50) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) ちょっとした改革でアフリカの村落は貧困から脱出できる。 アフリカは山ほど問題を抱えているので、国際機関からはしばしば重病患者のような扱いを受け、そのベッドサイドからは定期的に重要な生命反応に関する速報が発表されることになる。そして万が一集中治療室を出られたとしても、かなり厳しいリハビリプログラムにしたがわなくてはならない:それが国連のミレニアム開発目標 (MDG) だ。これは 2000 年に合意されたもので、2015 年までに一日一ドル以下で暮らす人々の数を半減させるといった目標を掲げている。他の大陸も同じ目標は掲げているが、貧

    fujikumo
    fujikumo 2006/05/22
    <その改革とは、食料の収量を高める肥料と種子、マラリアよけの蚊帳、水源の改善、主食から換金作物への多様化、学校給食プログラム、全員の寄生虫駆除、省エネストーブや携帯電話などの新技術導入である。>
  • 組み立て式会計:イケア (IKEA) の不思議な企業構造

    (The Economist Vol 379, No. 8477 (2006/5/13), "Flat-Pack Accounting," pp. 59-60) 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) ゲイツ財団なんか忘れよう。世界最大の慈善団体はイケア (IKEA) の所有者でもある――そしてインテリアデザインにご執心だ。 イケア (IKEA) で買った組み立て式家具を組み立てるほど頭にくる作業はなかなかない。だが、この世界最大の家具小売企業の会計を連結するのに比べれば、家具の組み立て作業ですら簡単なものだ。イケアの実に見事な小売り方式については、すでにいろいろ文献がある (訳注:かなりぬるいが「イケアのローコストの秘密」などをどうぞ)。弊誌は、それに負けず劣らず驚異的な同グループの財務について調べてみた。 そこから見えてくるのは、各国の法制度のちょっとした歪みを抜け

    fujikumo
    fujikumo 2006/05/22
    <明らかに、この財団はイケアが資金を必要としたときのための内部留保にだけ専念しており、インテリアデザインの分野は悲しいほどに支援を受けていないというわけだ。>
  • ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』解説 (山形浩生 訳)

    ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』解説 Intro to Keynes General Theory (2006) Paul Krugman 山形浩生 訳 要約: 「一般理論」のすごさは、それが有効需要の問題をきちんとうちだして、セイの法則(供給は需要を作る)と古典金利理論を打倒したことだ。それは経済の見方を完全に変え、ケインズ批判者も含めていまや万人がケインズの枠組みで経済を考えている。今見ると冗長に思える部分も、ケインズが当時の古典経済学の常識を破壊した結果としてそう見えるだけだ。そして金融理論の過小評価というありがちな批判は、当時の(いまの日と同じく)超低金利環境の反映であり、理論の中では重要性も指摘されている。真に画期的な名著。必読。 General Theory初版、1936 目次 はじめに ケインズのメッセージ ケインズはなぜ成功したか ケインズ氏と現

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