(英エコノミスト誌 2009年6月20日号) 中国の設備投資額は近く米国を抜き去ろうとしている。 中国の経済成長は今年、輸出の減少をよそに、政府の景気刺激策による投資に支えられて比較的堅調さを保っている。公式統計によると、5月までの1年間の固定資産投資(設備投資と建設投資の合計)は39%増という驚異的な伸びを見せ、インフレ調整後の実質ベースでは、49%増という過去最大の伸び率を記録した。 今日蒔く種が多ければ多いほど、明日の収穫量も増えるはずだが、これらの投資資金はどれほど効率的に使われているのだろうか。 景気刺激策で急激に伸びる国内投資 中国政府が公表する数字はほぼ間違いなく、支出ブームの大きさを誇張している。地方政府の官僚が北京の上司に取り入るために、投資額を水増ししていることは大いに考えられる。さらに重要なのは、政府の統計には土地購入やM&A(企業の合併・買収)が含まれてお