事故米やメラミンの話題ばかりで恐縮だが,農林水産省は2008年10月3日,国が購入・保有している事故米のうち,農薬に汚染されたり,カビがひどいなど汚染の度合いが高い約240トンについて焼却処分にすることを発表した。事故米は各地のごみ焼却場に運び込まれ,少しずつ焼かれ始めている。 これを見聞きして「もったいない。糊(のり)などにほとんど使えないなら,バイオエタノールの原料にすればいいのに」と思った人も多いだろう(筆者もそうだった)。しかし,農水省に聞いてみると,もともと工業用に転用するという前提で始まった事故米の流通を管理しきれず,再び食料用として横に流れてしまった事実を重く受け止めていて,「絶対に再流通しないようにする確実な方法としては,焼却という方法しかなかった」(総合食料局食糧部消費流通課)。今後も,事故米の流通経路を確実に把握する方法が確立しない限り,基本的には焼却処分という方法を採