「いつだって一緒。僕からプレッシャーは離れません」 自らにかかる期待の大きさに、真っ黒に日焼けした顔でこう答える。現役時代と変わらない穏やかな表情、丁寧な口調。だが言葉には、長い間並はずれたプレッシャーと向き合ってきた者だけが持つ、芯の強さがある。 今季からレイソルのヘッドコーチに就任した元日本代表の井原正巳(41)。国際Aマッチ出場数122試合は歴代1位を誇る。1998年のW杯フランス大会では主将を務めた。この経歴こそ、彼が常に重圧と戦ってきた証しである。 「ボールを取られたら切り替えろ!」。9日から16日まで鹿児島県霧島市で行われた2次キャンプ。ピッチには絶えず井原の声が飛んだ。フィジカルトレーニングが中心だったグアムキャンプから戦術中心となったこのキャンプ。激しいレギュラー争いも手伝って、日増しに緊張感が増した。井原の責任感も増幅された。 「テーマは自分で決める。教え