昭和30〜40年代に一世を風靡(ふうび)しながら、一昨年夏に生産が途絶えた科学玩具「地球ゴマ」が、さらに精度を高めた次世代の新製品「地球ジャイロ」としてよみがえった。唯一生産を続けていた名古屋市の町工場で働いていた技術職人、鳥居賢司さん(54)が一人で会社を立ち上げ、製品化。1個約1万8千円もするこだわりの商品ながら、納品が数カ月先になる人気だという。(杉森尚貴) 地球ジャイロは外径62ミリ、高さ77ミリ、重さ101グラム。ひもを巻き付けて回すと円盤が高速で回転し、5、6分間も重力に逆らった運動を続ける。地球ゴマと形はよく似ているが、大きく違うのはその「精度」だ。 最新の高性能金属加工機械で製造した数種類の部品を職人が一つずつ、手作業で組み立てる。数マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)レベルの加工技術を用いることで、地球ゴマに比べて精度が飛躍的に進化したという。