伊勢志摩の海で漁をする海女。温暖化対策でも藻場の重要性が注目されている=三重県鳥羽市相差で2016年4月、貝塚太一撮影 沿岸の藻場やマングローブ林など日本の海の生態系が、年間173万トンもの二酸化炭素(CO2)を吸収しているとの初の試算を、大学や国の研究機関の専門家で作る研究会が5日まとめた。海の生き物を育む「ゆりかご」として知られる藻場などが、温室効果ガスであるCO2を大量に取り込んでいることから、研究会は「地球温暖化対策の上でも重要」と指摘している。 研究会は国内外の既存の研究論文を元に、国内の藻場やマングローブ林、干潟の面積とそれぞれのCO2吸収量を計算した。その結果、2013年時点で総面積は29万ヘクタールあり、年間計173万トンを吸収していると試算した。この値は、国内の森林の吸収量約5000万トンに次いで大きく、市街地緑化などによる吸収量約130万トンを上回る。