石川県は14日、成牛の体細胞から複製した世界初のクローン牛として1998年に誕生し、世界的に注目された「のと」が19歳10か月で死んだと発表した。 牛の寿命は20歳程度。死因は高齢によるものとみられる。 発表によると、のとは今月4日、牛舎でぐったりしていたため栄養剤などを与えたが、14日、呼吸が荒くなり、同日午後3時58分に死んだ。 のとは、近畿大と県の共同研究で、雌牛の卵管から体細胞を採取し、培養した体細胞の核を未受精卵に移植して、誕生した。 成牛から誕生したクローン牛は、親と遺伝的に同じ形質をほぼ受け継ぐため、肉質の良い牛や乳量の多い牛の大量生産が期待される一方で、クローン牛に対する安全性への不安から農林水産省が出荷自粛を求めていた。国内ではクローン牛は流通していない。