表紙に人の毛髪が混じっていた江戸時代の書籍(丸山敦准教授提供) 江戸時代の書籍に使われた再生紙に混じる人の毛髪を分析し、当時の人の食事の内容を科学的に明らかにする手法を開発した、と龍谷大などの研究グループが28日までに発表した。米や野菜、海水魚に大きく依存し、幕末になるにつれて漁業が発展して海水魚の割合が増加したという。英科学誌に掲載された。 過去の食生活を調べるには、炭素や窒素など同じ元素でも中性子の数の違いで重さの異なる安定同位体に注目した手法がある。食材となった生物の餌などによって同位体の比率は異なる。海水魚では重い窒素の割合が動物の肉より多く、米とアワの違いも分かる。近年、発掘された人骨のコラーゲンが分析されているが、サンプルを入手しにくいことが課題だった。 丸山敦准教授らは、江戸時代の都市部で庶民向けに大量に出版された書籍に注目。表紙に使われた再生紙の繊維内には、偶然か故意かは不