水産庁は21日、研究室で人工的にふ化させたウナギの稚魚を出荷できる大きさになるまで商業用の養殖池で育てるのに成功したと発表した。これまで研究室では可能だったが、養殖池でも問題なく育つと確認された。かば焼きに加工しても味や香りに遜色はなく、完全養殖の商業化に一歩近づいた。ただ「人工稚魚」の価格は天然の10倍で、今後は生産コストの低下が課題になる。現在のウナギ養殖は、河口などで採取した稚魚のシラス
北海道大学は、1930年頃に発生したとされる、コンブ等の大型海藻類が消失し、それを餌とするウニやエゾアワビ等の生産が減る「磯焼け」発生以前の海の栄養状態が明らかになり、ニシンがコンブの栄養源として寄与していたことが解明されたと発表した。 北海道周辺海域におけるコンブの窒素安定同位体比(δ15 N)マップ。1881年~1920年の日本海側の数値が高くなっている。(出所:北海道大学プレスリリース) 同研究は、北海道原子力環境センターの栗林貴範(北海道大学大学院環境科学院にて社会人学生として学位取得)、北海道大学総合博物館の阿部剛史、北海道大学大学院水産科学研究院の門谷茂らの研究グループによるもので、同研究成果は、米国太平洋時間7月12日、「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。 「磯焼け」は、コンブ等の大型海藻類が消失し、それを餌とするウニやエゾアワビ等の生産が減る現象。北海道日本海では
コンビニの種類によって、集まる虫も違う-。津市の中学生、西川充希さん(13)が昨年の夏休みの自由研究で、自宅の半径10キロ圏内にあるコンビニ39店舗を調べ、照明の違いが原因となっていることを突き止めた。研究をサポートした三重県総合博物館(みえむ)の学芸員大島康宏さん(38)は「身近な疑問を突き詰める姿勢が素晴らしい」と高く評価している。 充希さんは27日、大阪府内で開かれた日本昆虫学会と日本応用動物昆虫学会の合同大会で、研究成果をまとめたポスターを発表。充希君は「時間帯によって来る虫が違うなど、いろんな先生からアドバイスをもらった。次の自由研究で取り組んでみたい」と刺激を受けた様子だった。 昨年6月、父親が「仕事帰りに寄ったコンビニで車に付いてきた」とゴマダラカミキリを持ち帰ったのが、研究を始めるきっかけ。1学期の終業式の夜に、そのコンビニに行ってみると、店の前で、たくさんの虫が飛び交って
クロマグロの完全養殖に世界で初めて成功した近畿大(大阪府東大阪市)は、富山県射水市海竜町の同大水産研究所富山実験場で、クロマグロの稚魚の飼育研究に挑む。 同大はこれまで主に、太平洋側の和歌山県と鹿児島県・奄美大島のいけすで繁殖に取り組んでおり、日本海の海水を用いた水槽で育てるのは初めてとなる。 近畿大によると、今月18日、奄美大島から直径約1ミリの受精卵約150万粒を空輸などで富山に運ぶ。搬入から2日ほどで、全長3ミリほどのクロマグロの稚魚が孵化(ふか)する見通しだ。 最初は、富山湾から海水を引き込んだ直径約6メートル、容量約30トンの水槽の中で育てる。1か月ほどたち、体長が6~7センチまで順調に成長すれば、同大が所有する中で最大級の直径10メートル、容量約200トンの大型水槽に移し、飼育に取り組む予定だ。 稚魚は体長10センチ以上になった時点で、大半を民間の養殖業者などに出荷するが、一部
大衆魚ホッケの値上がりが止まらない。主漁場である北海道沖での若い魚の取りすぎや海水温の変化で水揚げが激減した上、輸入物も漁獲規制で流通量が減ったことが背景にある。安さと食べ応えが人気だった「居酒屋の定番メニュー」は、どうなるのか。 「のどぐろ開き 1900円」「きんき開き 1900円」「極上縞(しま)ほっけ 1500円」 東京・築地近くの干物居酒屋「越後屋八十吉(やそきち)」のお品書き。ホッケが店で3番目に高価な魚だ。店長の春田憲司さん(30)は「大衆魚だったホッケも今では高級魚」と話す。 店では、輸入物のシマホッケと、国産のほぼ全てを占めるマホッケの2種類の干物を扱う。シマホッケの仕入れ値は3年前と比べ、1・5倍。大型が手に入らず、小ぶりのマホッケでさえ990円で、アジやサンマの590円より高い。 定食店「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングス(東京都)も、シマホッケの開きの単品価格を
国際機関から「絶滅危惧種」に指定されたニホンウナギについて、水産庁は資源保護のため養殖量に上限を設ける方向で検討に入った。養殖に必要な稚魚の乱獲に歯止めをかける。日本が自主的に資源保護に取り組むことで国際的な取引規制の導入を避ける狙いもある。今秋以降の実現に向け具体的な上限量を検討する。稚魚の養殖池への投入量の上限について、不漁で減少していた昨年までの3年間の平均(16.8トン)を軸に検討。過
国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」で絶滅危惧種として掲載されたニホンウナギを保全するため、環境省は生息環境を守る指針作りを始める。13日、石原伸晃環境相が明らかにした。 来年度まで文献調査のほか、全国3河川を選んで生息状況を調べ、ウナギが好む河川環境を明らかにする。成果は国土交通省や農林水産省などと共有。専門家を交えて保全のための指針を策定し、河川工事などの際に参考にしてもらう。 シマフクロウやツシマヤマネコなど「種の保存法」で国内希少種に指定されている生物では、保護増殖計画が作られているが、指定外で個別の保全策を作ることは珍しい。
日本の食卓になじみの深いニホンウナギについて、環境省は、生息数が激減していると判断し、絶滅の危険性が高い「絶滅危惧種」に指定することを決めました。 ニホンウナギは北海道中部より南の日本各地や中国などに生息し、昔からかば焼きなどとして日本の食卓で親しまれています。 しかし、天然のニホンウナギは過度の捕獲や河川の環境の悪化などから生息数が大幅に減り、漁獲量は、ピーク時に比べておよそ15分の1に落ち込んでいるということです。 また、市場の流通量のほとんどを占める養殖のウナギについても、稚魚のシラスウナギから育てられていて、稚魚の漁獲量が大幅に減っているということです。 このため、環境省は専門家と検討した結果、ニホンウナギについて、絶滅のおそれがある野生生物をまとめている「レッドリスト」で絶滅の危険性が2番目に高い「絶滅危惧IB類」に指定することを決めました。 「レッドリスト」には法的な強制力はな
津波の被害状況を調査する岩手県水産技術センターの後藤友明・主任研究員(左)=同県釜石湾沖で2011年4月22日、奥山はるな撮影 アワビやウニの好漁場だった三陸沿岸の海中で、海藻が枯れて荒れ果てる「磯焼け」が大規模に発生する恐れがあることが、岩手県の調査でわかった。津波で押し流された大量のがれきや土砂が日光を遮り、海藻を枯らすのが原因。三陸の浜には「津波の後5年は、海からアワビやウニが消える」という言い伝えがあり、専門家は「漁場の復旧に5~10年かかる」とみている。【奥山はるな】 「相当ひどい」。22日、大船渡湾の被害状況を調べた岩手県水産技術センターの後藤友明・主任専門研究員は船上でうなった。家屋が波間に浮き沈みし、転覆船などから流れ出た重油が漂う。漁協が数億円かけて設置した定置網に養殖いかだが絡まり、くしゃくしゃになって流されていた。 魚群探知機で海中を調べると、がれきとみられる多数の物
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