酒に酔った運転者が通学路で子ども5人を死傷させた凄惨な「八街事件」が起きてから、早10カ月がたった。政府・自治体のまともな対応はないのかと日々に気になっているが、そうした中で先日、千葉県四街道市内での新しい試みが紹介された。 永遠の被害者に求めることではない テレ朝ニュース(2022年4月8日付)によれば、地元の警察署が主導して、小学1年生に、信号機のない横断歩道の前で停まった車に対して、深々とお辞儀をさせる試みを始めたという。 同ニュースによれば、それによって運転者と小学生との「コミュニケーション」を図り、「双方の思いやり」を通じて、一時停止への「意識の変化を期待」し、ひいては「悲惨な事故を防ぐことができれば」、と警察署は考えているという。 だが、この対策の時代錯誤には絶句するしかない。 問われるべきは双方の思いやりなのだろうか。運転者・子ども間の関係は一方的である。子どもが車をなぎ倒し