日テレで話題のアニメ『サマーウォーズ』を見た。 かなりネットで大評判になった作品であって、いまさらなにを言っても周回遅れ感がつきまとうだろうが、感想を書いておく。テレビ版はかなりカットした部分も多いらしく、とんちんかんな指摘になるかもしれないが。 演出や派手なCGには目を見張ったが、シナリオに欠陥があるのか、思想が受け入れがたいからか、この世界にうまく入り込めなかった。 数学オタクの高校生、小磯健二は数学オリンピック日本代表の座をあと一歩で逃し、しょっぱい夏休みをすごしていたが、マドンナの夏希先輩からバイトを持ちかけられ、一緒に彼女の故郷である長野まで旅行する。なんと婚約者のフリをしてくれとの驚きの依頼で、彼女の実家に行ってみると、そこには何世帯もの大家族が待っているのだった。90歳にもなる夏希の曾祖母で陣内家の当主に挨拶をするが、おりしも仮想空間“OZ”のパスワードを解いてしまったことか
いつも読んでる「80年代後半〜90年代前半を回顧するブログ」さんのなかに興味深い話題があった。 http://sskkyy81.blog4.fc2.com/blog-entry-373.html(刑事ドラマ・マンガの間違い - 80年代後半〜90年代前半を回顧するブログ) 最近の刑事ドラマは「踊る大捜査線」を経て、横山秀夫氏の原作がドラマ化されたりして、ぐっとリアリティが増した。むかしは所轄の刑事が捜査本部を設置することもなく、本庁の刑事たちに仕切られもせず、ときには腕づくで、ときにはカツ丼と情に訴えて自供を引き出して見事解決、という現実感もへったくれもないドラマが山のようにあった。 とくに80年代の確信犯的なリアリティの欠如はすさまじいもので、大門部長刑事がショットガンで、悪党が持っている拳銃を弾き飛ばすという芸当をやってのけた。「散弾銃で撃ったら、腕ごと吹っ飛ぶんじゃ……」なんてツッコ
たとえば私の故郷の近くに米沢市という町があるのだが、たいそうでっかい流通団地があり、それこそちょっと前まではたくさんの派遣労働者を抱えて半導体やらテレビの部品やらを作って羽振りがよかったのだけれど、金融バブルが弾けて輸出産業がぽしゃってからはどこも虫の息であってハローワークはぎゅうぎゅう状態。 工場近辺にあるコンビニも、今まで派遣のあんちゃんが、弁当やらチュウハイやらをどかどか買いこんでくれたのだが、こんな状況であるために同様に虫の息……という噂を耳にしていた。まあどこの地方でも転がっている話である。 車を脚のように使う田舎にあってはこの厳しい時代、定価で売りつけるコンビニなんて利用する人は減る一方で、この辺鄙な田舎である南陽市にすらイオン系の24時間スーパーができたこともあり、コンビニ討ち死にの風景がそこかしこで見られるわけだが、これもよく聞く話である。潰れたコンビニの建物に千円床屋や中
ここ最近の海外ニュースでもっとも話題になったブッシュ・シューズ。 後日談がバカバカしくておかしい。 http://news.goo.ne.jp/article/jiji/entertainment/jiji-AFP020471.html(「ブッシュ・シューズ」に注文殺到=トルコの製造会社) アメリカでももちろんジョークの種にされまくっていて、「まったく。あの記者の行為は許しがたい!」と切り出しながら「……2度も外すなんて!」というオチがいい。 しかしびっくりさせられるのがアラブ諸国の反応であって、記者への英雄視はわかるとしても、靴に数億円の懸賞金をかけたり(なんともアラビア的だ)、リビアでは記者に勲章を与えるのだという。「熱くなりすぎ、お前ら」と笑いとばしたくもなるが、熱くならざるを得ないのが中東の現代事情なのだろう。そりゃそうだ。 靴に数億円の懸賞金がかけられたりデモが起きたりと、かりに
先日、夕飯どきにNHKの動物番組をぼさっと見ていた。 北海道に生きるキタキツネの親子の生態というやつで、天敵であるワシと戦ったり、巧みにネズミを捕ったりと見所満点。とにかくキツネの赤ちゃんというのが超かわいいの。 と、いっそギャル文字で記したくなるほど愛らしい。 だけど人里に近いところで住んでいたきつねの母親は、ある日車で轢かれて死んでしまうのである。路上でぐったりしている母ぎつね。しかし子供たちは寝ているだけだと思ってお母さんを起こそうとするのだ。おっぱいをせがんだり、どうにかして目を覚まさせようとして首のあたりを噛んだり、引っ張ったりするけれど、すでにお母さんキツネは生きてはいない。周囲にはハエも飛んでいる……。 「うおー、泣けるぜ」とごはん茶碗を持ちながら思ったし、じっさいウルっときたのだけれど、動物番組でああいうシーンってこれまで何十回と見てきたような気がする。親が死んじゃって、そ
うむ、ダジャレである。 しかし自民党も麻生首相も大嫌いだが、「これはちょっとないだろう……」と思うのは連日メディアが騒いでいるバーの話題である。すでにネットでも超党派で「どこで飲もうが構わんだろう。しかも安いじゃん」といった感じのご意見が多い。私もそう思う。 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081024/plc0810242122019-n1.htm(ホテルのバーは安い? 体験ルポ、行った飲んだ払った) とくに失笑ものなのがこの産経のやつで、そんなおばはんみたいなみっともない庶民感覚とやらを開陳するよりも、もっとやらなければならない仕事はあるはずだ。 お金持ちの御曹司首相で、どうも飲み会も多い。そんな伏線があったために、ついに爆発といった感じだがそれにしてもしょぼい爆発だ。「神楽坂や赤坂の料亭でダース単位に芸者を呼んで、朝までどんちゃん騒ぎ
http://d.hatena.ne.jp/S2D2/20081012/p1(人気シリーズ……? - Same Shit Different Day) 先日、友人のS2D2さんのこのエントリを見て、しばらく身動きできなくなるほど大笑いしてしまった。「多様化するAV業界も、ここまできたか!」と。 http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080730(キル・ビルを超えたキテレツニッポン「四十七人目の男」) 前にS・ハンターの傑作「四十七人目の男」を紹介した。悪の黒幕は、AV業界のドンにして国粋主義者のショーグンという男。「日本のAVは日本らしく!」をモットーに、洋ピンの排斥とAVの純国産化をもくろんでいる。ちなみにショーグンと対抗して外資と手を組むAVメーカーが「インペリアル」というのだからハンターの目は鋭い。しかしショーグンがこの黒人モノを見たら、果たしてなんと思
なにかの兆しがつづいている。テレビ各局がパチンコ、競馬、ロトシックス、膣カンジダ治療薬、競艇……のCMを流していた。ニュース時間帯に。あぜんとする。CMの質をとやかくいえるほどテレビ局の台所は楽ではないのだとか。 辺見庸「水の透視画法」9月20日山形新聞 今のテレビCMを見ているとなんだか複雑な気分になる。 なんだかんだ言ってもテレビはけっこう見ている。ニュースや格闘技番組ばかりだが、タモリ倶楽部やプロレス中継といった深夜のやつをガンガン録画して、暇があるとそれを見ている。しかしそれであぜんとさせられるのがCMだ。とくに深夜。 もうずっと昔から「うわ、最低。あのCM」とか「製作者低脳!」とか、まあ画面を見ながら言いたい放題だったのだけれど、最近はそんな怒りさえわかず、ただ暗い気持ちになる。 冒頭で引用した辺見庸氏の言葉を借りれば、ニュースという時間帯でさえCMはこうである。ゴールデンタイム
いやあ、すごいもんみたなあ。すごいすごい。 もうたくさんあちこちで語られている「ダークナイト」である。今日は映画感想。 熱狂的に支持される一方で、けっこう私の友人知人の間では不評であったりする。たしかにこの作品、欠点が山ほどあるし、この映画の米興行成績がスターウォーズを抜いて、タイタニックにまで迫るというのも不思議だ。有名ブロガーのたけくまさんは「隙がない」とおっしゃっていたが、いやあけっこう隙だらけだと思う。 まずアクションの撮りかたが下手だ。いまいちアクションシーンでなにが起きてるのかわからなくなかったり、レーティングの問題を気にしたのか、直接的な残虐さを必要以上に隠していたように見える。そのぶん爆破はよかったが。暴力グルメも納得の味とはちょっと言いにくい。 さらに物語の横軸を司るヒロインのレイチェルを演じたマギー・ギレンホールがちょっと……。主人公と、熱血検事役のエッカート両方から愛
エコや燃料高騰で自動車が話題になることが多い。 月末となるとガソリンスタンドが大混雑する風景が、新しい郊外の風景として定着しそうだ。月が変わるたびに値上げされているのだから。先月も道路に行列の車がはみ出していて、いたるところの街道に給油待ち渋滞ができていた。 ただでさえ自殺者が多い(凶悪事件なんかさっぱり起きない平和な町だけど、とにかく自殺とひき逃げだけは毎日のように起きている)貧乏タウンだというのに、ガソリンの値上げは地元民にとってかなり痛い。なにしろ自動車がなければどこにも移動できないからだ。 かつて自動車は個人主義のアイコンであり、アメリカ的な自由を示す代表的なアイテムだった。戦後は「おれもいつかは自家用車を」と誰しもが夢を持ち、バブル期は「いつかはアウディ、いつかはパジェロ」とかに変わっていった。車はずっと成功の象徴でもあったのだ。そしてそのころになると誰もが持っているものとの前提
最近は相撲がおもしろくなってきている。朝青龍なんてプロレスラーよりレスラーらしいし。夏場所もがんばっていただきたい。 みんな品格がどうのこうのと言ってるが、本当は荒々しいハプニングが好きである。本当になんだか昔の新日プロレスみたいで私個人は非常に盛り上がっている。以下はこうなってほしいなという勝手な願望とご意見である。やくみつるより役に立つアドバイスだと思うよ。 1、花道で襲いかかるのもOKにする。 土俵なんかで悠長にやってられるか! という感じでいきなり襲うのもアリにすればいいと思う。華のない幕内力士とかがいきなり横綱に襲いかかるのもええなあ。昔、前座レスラーだった藤原が札幌で花形レスラーの長州にいきなり襲い掛かって有名になったものです。長州の本来の相手だった藤波は気合充分で試合に臨んだのに、相手の長州をいきなり血だるまにされて本気で激怒し、「こんな会社辞めてやる!」と吠えてはタイツ一丁
例の秋葉原無差別殺人には驚いたが、同様に驚いたのは報道だ。メディアによって違いがでているようだ。とくにテレビ。それまで凶悪犯罪となればおっそろしいほど画一的だったが、今回は局によって違いのようなものが出ている。 「すわ、またオタ叩きが起きるか!」と正直身構えていたのだけれど、それまでとはちょっと色合いが違う。あくまで表層的なものでしかないが、犯人の育ちや職場でのトラブルといったわかりやすさが横溢しているためと思われる。「動機の解明が急がれる」なんていつも語るが、本当に解明されつつあるころには、どこも報道なんかしないというのが常なのだけれど。 しかしそんな状況下で孤軍奮闘しているのがサンケイグループだ。ここ数日の記事にはとにかく納得させられる。 http://www.zakzak.co.jp/top/2008_06/t2008060923_all.html(秋葉原無差別殺人、男の素顔…ロリコ
随分と大反響だった。まさかここまでとはと驚いている。 コメント欄も大賑わいだ。しかし相当荒れている。すごいね。 あの「受け入れて」というPVのテーマは言うまでもなく差別だ。差別問題にストレートに挑戦する作品というのは珍しく、そのチャレンジ精神には感心したものの、描き方が稚拙なので、とても受け入れられないと評した。それは今も変わらない。 差別とは、言うまでも皮膚や言語や宗教や性や国籍が異なることで起こる。さらに住む場所や方言や体重や趣味や仕事の優劣やファッション、ちょっとした違いをわざわざ見出して行ってしまうからやっかいであり、なかなか逃れられない人間の業みたいなものだ。 聞けばあの曲は性同一性障害を持った友人の告白から生まれたのだそうな。それならますますわからなくなってくる。つまりあの作品は「さまざまな価値観の相違があるだろうけれど受け入れて」という内容もあるのだろう。 しかしどういうわけ
焼酎の湯割りを飲みながらスペースシャワーTV見てたら仰天してしまった。湯割り吹いちまったじゃねえか、この野郎。 音楽専門チャンネルだけあって、敵性音楽であるJ−POPのPV(プロモーションビデオ)がひんぱんに流れているのだが、どいつもこいつもあいかわらず青空を見上げたり、陶酔しきった表情つくったり、バカップルみたいにいちゃいちゃしてたり、ブサメンのレゲエ野郎が宗教臭い説教かましたり(ET−KINGってなんの宗教にはまってんだろう。ハーレルーヤーとか唱えるし。大阪は変な宗教いっぱいあるもんな)本当に反吐がでそうになるのだが、そうとわかっていてもなぜかチャンネルを合わせてしまう。困ったことだ。 たまに電グルのPVのような心洗われるのもあるし、何年も鑑賞していると、たいていのPVでは驚かないのだが、さすがに一青 窈のやつはマジでびっくりしてしまった。本当にやばい。公開カルト宣言って感じなのだ 個
去年からずっと心待ちにしていたのだけれど、ついに10月12日にデイヴィッド・ピースの敗戦直後ノワール「TOKYO YEAR ZERO」が発売される。 ピースといえば、赤字と失業率の高さ、IRAのテロ、それにサッチャーの保守路線で瀕死状態の地獄のようなイギリス北部を描いたヨークシャー4部作で有名な作家である。ちなみに日本在住だ。 実のところヨークシャー4部作の日本での評価はあまり高いとはいえない。2作目は後半になってくると、まったくついていくことができず、4部作通してもオチがついていない(ようにしか思えない)などなど、暗黒度のポテンシャルは極めて高いものの、どうにもストーリーについていくことが困難なところがあった。 しかし今回は相当期待できるだろう。ピースとタッグを組んだのが、文藝春秋で怪しげな海外ミステリを送り出し続ける名編集者Nさん。文春文庫で妙にド暗黒で鬼畜な海外ノワールが発売されるの
常食という言葉がある。 これは「駅前の歩き方」というグルメコミックで使われた言葉で、一言でいえばご当地グルメと呼ばれるもので、広告代理店がプロデュースしたような観光客向けの料理ではなく、その土地土地の人間がごく当たり前に食している大衆的な地元料理のことを指す。 「駅前の歩き方」は実のところ面白くはない。いかにも大味な増刊コミックという趣だったのだが、視点はなかなかフレッシュではあった。長野の伊那のローメン(ソース焼きそば風の、言うなればソース蒸しそば)、長崎のトルコライス(ピラフとカツとナポリタンを一つの皿に盛ったでんぷん油食。肉体労働者の強い味方フード)、日系ブラジル人のコミュニティがある群馬は大泉のフェジョアーダなどなど。 http://www.inacci.or.jp/contents/meibutu/rohmen/rohmenindex/rohmenindex.html(伊那 ロー
あの名古屋の殺人事件にゾクっときてしまった。加害者がケータイサイトで知り合ったというやつ。あれはペッパーランチ事件と同様に背筋が凍った。 去年あたりから、心が寒くなるような犯罪が目白押しだ。過去と比べても、こんなに心が寒くなるようなことはない。昔だってヤバい犯罪はたくさんあったが、昔と今とでは犯罪の質がなんか違うのである。なにか末期的な感じがする。 去年起きた秋田の連続幼児殺人事件。それにペッパーランチ事件、そして今回のケータイサイト「闇の職業安定所」事件。この3つに強烈な寒さを感じた。その寒さの正体がよくわからなかったのだが、最近になってようやくわかった。 この3つの事件に共通するものとして、加害者らの理解しがたいズサンさというものがある。秋田の鈴香容疑者にしても、ペッパーランチの非道店長にしても、今回の3人の犯罪者にしても、あまりの計画性のなさに愕然とさせられる。名古屋の場合などは、人
また「あるある大辞典」が復活する。 なんて噂が健康食品業界の間で流れていた。関西テレビが捏造問題で大変な目に遭ったことはまだまだ記憶に新しいところ。よって私自身はくだらないガセだと思ったが、どうやらある程度は本当らしい。 8月15日の健康産業新聞によると「あるある大辞典」としての復活はないのだが(当たり前か)、関西テレビが10月に健康情報番組を開始するというのはマジなのだそうな。 会社が揺らぐほどの歴史的な大ミス。しかし一年も経たないうちにまた開始。健康情報番組というものがいかに魅力のあるコンテンツかがわかる。地上派テレビメディアというものがどこを向いて仕事をしているのかも。 とはいえ月1回の土日午後2時から4時の間なのだそうな。微妙だ。なんでも毎週ではスケジュールがタイトすぎるので、「あるある」の件も踏まえて充分な時間を取るとのこと。慎重な話である。関西テレビの広報部によると、結論を押し
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