シリーズ:これからの美術館を考える(6) ブロックバスター展は善か、悪か5月下旬に政府案として報道された「リーディング・ミュージアム(先進美術館)」構想を発端に、いま、美術館のあり方をめぐる議論が活発化している。そこで美術手帖では、「これからの日本の美術館はどうあるべきか?」をテーマに、様々な視点から美術館の可能性を探る。第6回は、約5年間国立新美術館で共催展に携わり、現在は金沢21世紀美術館で学芸員を務める横山由季子による寄稿をお届けする。 文=横山由季子 2017年に65万7350人の来場者を記録した「ミュシャ展」に並ぶ人々 ブロックバスター展とは何か? 本シリーズでは美術館の現状をとりまく様々な問題が俎上にのせられてきたが、私は前回の論考で住友文彦氏が投げかけた「メディアイベントとしての演出が、専門性に対してどのように影響を与えているか」という問いに答えることを試みたい。ちなみにメデ