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ブックマーク / blog.livedoor.jp/koichi0024 (10)

  • ハンガリー王冠盗み出し事件について : 巷にひとり在り

    『乙女戦争外伝Ⅱ 火を継ぐ者たち』第1話で描かれたハンガリー王冠盗み出し事件について解説します。 犯行日時:1440年2月20日夜 犯行現場:ハンガリー王国ヴィシェグラード城 盗難被害:ハンガリー王冠《聖イシュトヴァーンの王冠》 時価総額不明 主犯:ハンガリー王妃エルジェーベト(エリーザベト) 実行犯:エルジェーベトの侍女ヘレーネ・コッターナ 共犯:ハンガリー人の男2名(姓名不詳) 動機:エルジェーベトの夫であるハンガリー王アルベルト(神聖ローマ皇帝アルブレヒト)は先年10月27日に死亡していたが、エルジェーベトは妊娠中であり、男児が生まれれば正統なハンガリー王位継承者となるはずであった。エルジェーベトは生まれてくる息子の地位を強固にするためにハンガリー王位の象徴である《聖イシュトヴァーンの王冠》を手に入れておきたかった。そのために忠実な侍女ヘレーネ・コッターナに王冠を密かに盗み出すように

    ハンガリー王冠盗み出し事件について : 巷にひとり在り
  • 戦場の狂犬部隊アルモガバルス : 巷にひとり在り

    ちょっと調べて面白かったので「アルモガバルス」について紹介します。 アルモガバルスとは、13〜14世紀頃に活躍したスペイン・カタルーニャ地方の傭兵集団です。 キリスト教国とイスラム教国がせめぎ合っていたイベリア半島で、彼らはアラゴン王国に仕えて国境警備に当たっていました。 国境警備と言っても実のところ、無法地帯同然の国境地帯で好き勝手に暮らし、隙あらばイスラム側の町や村を襲撃しては略奪の限りを尽くして風のように逃げ帰る、ということを繰り返していたようです。 「アルモガバルス」とは、アラビア語で「略奪者」「突然襲ってきて荒らしまわる者」という意味の言葉に由来するとか。 彼らの特長のひとつは、その装備。 武器は、短い投げ槍「アズコナ」と、切れ味の良い肉切り包丁「コルテル」。 袖無しの革のチュニックにサンダル。 鎧は無し。 兜はかぶることもあるが、薄い鉄板を編んだような隙間だらけの軽いもの。 以

    戦場の狂犬部隊アルモガバルス : 巷にひとり在り
  • 「暗殺の天使と首斬りの紳士」前編 : 巷にひとり在り

    『ダンス・マカブル』第13話「暗殺の天使と首斬りの紳士」前編が公開されました〜 こちらからご覧ください〜 (※このエピソードは、いわゆる成人向けコミックではありませんが、一部暴力的または性的な描写が含まれておりますので、閲覧はご自身の判断と責任において行なってください。) 作品の感想がありましたらどうぞこちらまで。 今月の10日頃から公開されていたのですが、直後に大震災が起きたため、しばらく告知のエントリーを書くのは控えていました。 沈んだ気分の時に読むにはあまり適さない類の作品だと思いますので… ********************** この「暗殺の天使と首斬りの紳士」というシリーズは、前中後編の3回に分けてお送りします。 舞台はフランス革命期のパリ。 マラーを暗殺した少女シャルロット・コルデーと、パリの死刑執行人シャルル=アンリ・サンソンのお話です。 まずはシャルロット・コルデーに

    「暗殺の天使と首斬りの紳士」前編 : 巷にひとり在り
  • プラハ窓外放出事件について : 巷にひとり在り

    今から600年前の1419年7月30日に起きた「プラハ窓外放出事件」は、その後15年も続くフス戦争の始まりを告げる事件となりました。 どういう事件だったのか、説明してみますね。 その日は日曜日でした。 ボヘミア王国の首都プラハ新市街の「雪の聖母マリア教会」にはフス派の信徒が詰めかけていました。 彼らは皆不満を募らせ、爆発寸前でした。 (現在の雪の聖母マリア教会) 何が不満だったのか? なんといっても生活が苦しかった。 ヨーロッパでも屈指の大都市プラハは「旧市街」と「新市街」に別れており、それぞれに市長がいて市庁舎と自治行政機能を備えていましたが、歴史の浅い新市街には貧しい市民が多かった。 彼らは自分たちの不遇の原因の一端はカトリックの聖職者たちの腐敗にあると考えていました。 聖職者は特権階級であり、税金も納めず、聖職売買や免罪符の販売などで蓄財に励み、貧しい信徒を尻目に裕福な暮らしをおくる

    プラハ窓外放出事件について : 巷にひとり在り
  • ピーシュチャラについて : 巷にひとり在り

    『乙女戦争』のキーアイテム「ピーシュチャラ」についてちょっと解説します。 《火薬》は中国で発明されたと言われており、イスラム圏を経て、13世紀頃にはヨーロッパにも伝わっていたと考えられています。 14世紀には火薬で砲弾を飛ばす《大砲》が戦場で使われ始め、14世紀の後半には大砲の小型軽量版である《銃》が登場しています。「ハンドゴン」とか「パイプガン」とかいろんな呼び名がありますが、ピーシュチャラもそうした初期の銃の一種です。 「ピーシュチャラpišťala」とはチェコ語で「笛」という意味があり、「ピストルpistol」の語源だとも言われています。 資料を見るといろんな形状があったようで、規格も統一されていなかったのかもしれませんが、『乙女戦争』の中ではドイツのタンネンベルク城跡から出土した現存最古の銃、通称「タンネンベルク・ガン」をモデルにしています。 (※ちなみにタンネンベルクの戦いが行わ

    ピーシュチャラについて : 巷にひとり在り
  • 『乙女戦争』第49話「乙女裁判」 : 巷にひとり在り

    今月24日発売の月刊アクションに『乙女戦争(ディーヴチー・ヴァールカ)』第49話が掲載されました。 タイトルは「乙女裁判」 ジャンヌ・ダルクの裁判の話になります。 内容的には『ダンス・マカブル〜西洋暗黒小史』1巻で描いた「ジャンヌ・ダルク処刑裁判」と結構かぶってしまうのですが、今回はイングランドの枢機卿ヘンリー・ボーフォートという人物が重要な役割を果たします。 ボーフォートは幼きイングランド王の大叔父にあたり、イングランド宮廷でもカトリック教会内でも重要な地位にありました。ジャンヌ・ダルクの裁判では、裁判を司るコーション司教からジャンヌの牢獄の鍵を預かる一人となり、ジャンヌが病気で寝込んだ際には医者を派遣するなどの気配りをし、ジャンヌが処刑された時には涙を流して嘆いたとか。 また、ボーフォートは教皇からボヘミア問題の対応を託されて、第4回対フス派十字軍を指揮したこともあります(この時はプロ

    『乙女戦争』第49話「乙女裁判」 : 巷にひとり在り
  • 『乙女戦争』と『アンゴルモア』 : 巷にひとり在り

    だいぶ報告が遅くなってしまいましたが、12/9にトークイベントしてきました! 芳林堂書店の高田馬場店で、『アンゴルモア』のたかぎ七彦先生とぼくがトークして、さらにキャッスル・ティンタジェルさんによる甲冑バトルパフォーマンスも行われるという、盛りだくさんなイベントでした♪ 実際どんな感じだったのかは以下のリンク先を見ていただくのがわかりやすいでしょう。 芳林堂書店公式アカウントによるツイートまとめ 情報サイト「キャララボ」さんのレポート記事 芳林堂書店にすごく歴史好きな店員さんがいて、その方のお誘いで実現したイベントでした。 当日は戦国甲冑姿で司会もしてくれました。 当日の記念撮影。 真ん中はティンタジェルの女性ファイターの聖香さん。以前にもサイン会でサポートしてもらったりしました。 ぼく(右)が来ているのは中世ヨーロッパの標準的な衣服であるチュニックとローブです。 キャッスル・ティンタジェ

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    fumirui
    fumirui 2017/12/25
  • 『乙女戦争』第43話掲載延期のお知らせ : 巷にひとり在り

    今月25日発売の「月刊アクション」に『乙女戦争(ディーヴチー・ヴァールカ)』第43話が掲載される予定でしたが、掲載を1ヶ月延期することになりました。 すでに原稿は入稿済みでしたが、表現上の問題があることがわかり、数ページにわたって描き直す必要があると判断したためです。 予告無しで突然休載することになってしまい申し訳ありません。 「表現上の問題」が具体的にどういうものなのかは、今説明してしまうとネタバレにもなってしまうので、しばらく時間をおいてから説明させてもらおうと思います。 あしからずご了承ください。 出版元の双葉社さまには、出版物に差別表現とか著作権侵害などの問題点がないかどうかを予めチェックする部署があります(おそらく他の出版社にもあるでしょう)。 今回は、作者であるぼく自身も担当の編集さんも気付いていなかった問題点を、その部署のスタッフが校了直前に見つけて指摘してくれました。 その

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    fumirui 2017/07/20
  • 《スラヴ叙事詩》とフス戦争 : 巷にひとり在り

    《ミュシャ展》始まりましたね! ミュシャ展公式サイト 目玉は何と言っても《スラヴ叙事詩》です。 ぼくは一昨年にチェコに行った際に一度見ているのですが、来日すると聞いてからずっと楽しみに待っていました。 《スラヴ叙事詩》はミュシャ(母国のチェコ語ではムハ)が祖国への愛を込めた晩年のライフワークで、スラヴ民族の歴史を題材にした20枚の連作です。キャンバスの巨大さも相まって、壮大な歴史スペクタクルが感じられる大傑作です! ミュシャがチェコ出身ということからチェコの歴史に関するものが多く、とりわけフス派関連の絵が多いです。絵の解釈にもよりますが、20点中10点がチェコの歴史、うち8点がフス派関連の絵になっています。 従って《スラヴ叙事詩》にはフス戦争を題材にした拙作『乙女戦争』とも関連する絵がいくつもあるのです。 以下、簡単に紹介します。 (※各絵の題はミュシャ展の公式サイトに準じました) 『ベツ

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  • 巷にひとり在り

    『星天のオルド タルク帝国後宮秘史』の最終巻となる第3巻が5月10日に発売されます! 星天のオルド タルク帝国後宮秘史 : 3 (アクションコミックス) 自分で言うのもなんですが、この作品では今までありそうでなかった斬新なコンセプトを打ち出せたと思っているので、3巻で終わってしまうのはかえすがえすも残念です… けっこう壮大な風呂敷を広げていたので、考えていた伏線もある程度端折らざるを得ませんでしたが、この作品で描きたかったことをできる限り詰め込みました。 じっくり読んでいただけれるとうれしいです。 また、巻末にはタルク帝国の歴史や皇宮の地図などマル秘設定資料を少し掲載することが出来ました。 完全に設定厨の自己満足ですが、面白がってもらえたら幸いです〜 今回も書店購入特典イラストを2点ご用意しました。 【まんが王さま用】 【COMICZINさま用】 まんが王様では今回もサイン抽選予約があり

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