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ブックマーク / academist-cf.com (71)

  • フンボルトペンギンの糞の最大飛距離は約1.34m! – 理論物理学者が本気出してうんちの軌道を計算してみた

    フンボルトペンギンの糞の最大飛距離は約1.34m! – 理論物理学者が気出してうんちの軌道を計算してみた ペンギンの糞から飼育員さんを守るために 「ペンギンの糞がものすごい勢いで飛んでくるので、直撃して困るんです」桂浜水族館の飼育員である藤澤史弥氏のそんな一言から研究は始まりました。 ペンギンといえば主に南半球に生息する飛べない海鳥ですが、世界有数の水族館数を誇る日では他国に比べ非常に多くのペンギンが飼育されています。研究の舞台となった高知県高知市の名勝・桂浜にある小さな桂浜水族館でも2020年7月現在49匹のフンボルトペンギンが飼育されています。 ペンギンは自分の巣の外に向かって糞を遠くへ飛ばす習性があります。これに興味をもったVictor Benno Meyer-Rochow氏とJozsef Gal氏は、糞を遠くへ飛ばす際の直腸圧の強さを計算した結果を2003年に学術雑誌Pol

    フンボルトペンギンの糞の最大飛距離は約1.34m! – 理論物理学者が本気出してうんちの軌道を計算してみた
  • 南極の氷が大地を削った痕跡をたどる – 海底堆積物コアが明かす古気候変動と「大西洋子午面循環」の関係

    気候変動で大きく変化する海洋循環 地球システムのひとつである「大西洋子午面循環」は、全球規模で起こる海洋深層循環と気候変動において肝となることが知られています。大西洋の暖かく高塩分の海水は表層流によって北へと運ばれ、それが北大西洋の寒い海で冷やされることで高密度の水塊となり、深層に沈み込みます。沈み込んだ海水は「北大西洋深層水(North Atlantic Deep Water: NADW)」として今度は南方へと移動し、やがて世界中の深海へと広がっていきます。 氷期と間氷期では、この大西洋子午面循環の「形状(モード)」が現在とはまったく異なっていたことが知られています。過去258万年の更新世の気候変動は、氷期-間氷期サイクルという、比較的寒い氷期と、比較的暖かい間氷期が繰り返していたことが知られています(最近の100万年間では、約10万年に1回の周期で起きていることがわかっています)。 氷

    南極の氷が大地を削った痕跡をたどる – 海底堆積物コアが明かす古気候変動と「大西洋子午面循環」の関係
  • 徳川家康に重用されたイギリス人「三浦按針」の墓の人骨 – そのヒストリーを科学分析で同定する

    1600年にイギリスから日へ渡った三浦按針 ウィリアム・アダムス(日名・三浦按針)は、1564年にイギリスのジリンガムで生まれました。34歳のとき、航海士としてオランダ船に乗って極東を目指しましたが、航海は困難を極め、5隻からなる船団で出航したなかで唯一リーフデ号に乗っていた僅かな生存者だけが1600年に現在の大分県に漂着しました。 アダムスは徳川家康に外交顧問として重用され、通訳や大型船建造を任せられるなど活躍の場を得ました。その功績によって旗に取り立てられ、苗字・帯刀を許されただけでなく、領地も与えられました(the first SAMURAI from England)。「按針」は水先案内人を意味し、「三浦」は領地の相模の国・三浦郡(現在の横須賀市)に由来します。 1609年には現在の長崎県平戸市でイギリス商館の開設にも尽力しました。1614年、アダムスはクローブ号でイギリスに

    徳川家康に重用されたイギリス人「三浦按針」の墓の人骨 – そのヒストリーを科学分析で同定する
  • 無数の電子の協力現象「量子液体」 – 人工原子×数理的アプローチで、その隠された性質に迫る

    私たちは、量子液体と呼ばれる無数の電子の協力現象について数理的な手法を用いて調べることで、その新しい性質を明らかにしました。稿では、この研究の成果とその背景にある多数の電子による協力現象について、物質の物理学のおもしろさを交えつつお話していきます。 物質の性質の起源を探るには? わたしたちの身の回りにはさまざまなものがあり、それがなぜそのように振る舞うのか不思議なことで溢れています。その疑問を解き明かそうとするとき、多くの場合は、”もの”を分解してその構成要素の性質を調べることになります。そして、次々と要素還元していくと、ほとんどのものは原子にたどり着きます。では、原子の性質が理解できれば、すべての物の性質がわかるようになるのでしょうか? 単純に要素をレゴブロックのように組み合わせることで、構造体の性質がわかる場合もありますが、多数の構成要素が協調することで、思いがけない性質が現れること

    無数の電子の協力現象「量子液体」 – 人工原子×数理的アプローチで、その隠された性質に迫る
  • 空気を肥料にする「窒素固定作物」は、ハーバー・ボッシュ法を代替できるのか? – 名古屋大・藤田祐一教授インタビュー【後編】

    空気を肥料にする「窒素固定作物」は、ハーバー・ボッシュ法を代替できるのか? – 名古屋大・藤田祐一教授インタビュー【後編】 空気中の窒素を自ら肥料に変換して生育する「窒素固定作物」。名古屋大学大学院生命農学研究科 藤田祐一教授は、そんな夢のような植物の創出を目指している。実現のカギとなるのが、一部の原核生物がもつニトロゲナーゼという酵素だ。ニトロゲナーゼは、大気中の窒素を還元してアンモニアに変換する能力をもつ。藤田教授は、葉緑体のモデルとなるシアノバクテリアや、モデル植物として広く研究に利用されているシロイヌナズナでニトロゲナーゼを作動させられるよう、研究を進める。 ニトロゲナーゼとの出会いとなった藤田教授の大学院生時代の研究について振り返った前編に続き、後編では窒素固定作物実現に向けた研究の現在地と実用化までの展望について聞いた。 ゼニゴケにはあってタバコにはない遺伝子を追求したら、10

    空気を肥料にする「窒素固定作物」は、ハーバー・ボッシュ法を代替できるのか? – 名古屋大・藤田祐一教授インタビュー【後編】
  • 「無知の知」はどのように生み出される? – 前頭極が未知の出来事への自信の判断を司る

    「無知の知」とメタ認知 私たちは日々生活しているなかで、自身にとって未知の人や物に出会います。そして私たちは、未知の物事を経験したことがないという事実を認識し、その認識に基づいて、自身の行動を変えることができます。たとえば、パーティーや学会で、初めて会う人に対して挨拶する際に、「その人と過去に会ったことがない」という事実に対する確信の程度によって、相手の心を傷つけないように挨拶の仕方を変えることがあるでしょう。このように、自身の認知過程を、主観的に捉えて内省的に評価する能力は「メタ認知」と呼ばれます。 メタ認知のはたらきのおかげで私たちは自身の意思決定に対して確信を持つことができます。しかし、特に古代ギリシアの哲学者ソクラテスが唱えた「無知の知」の概念と相通ずる、自身にとって未知の出来事に関するメタ認知に関しては、どのような脳のはたらきによって実現されているのか、まったくわかっていませんで

    「無知の知」はどのように生み出される? – 前頭極が未知の出来事への自信の判断を司る
    fumirui
    fumirui 2019/11/19
  • 究極に美しい分子を作りたい – 結び目や絡み目をもつベンゼンの鎖

    近年注目を集める「分子ナノカーボン科学」 グラフェンやカーボンナノチューブなどのナノメートルサイズの周期性をもつ炭素物質は「ナノカーボン」と呼ばれ、軽量で高機能な次世代材料として期待されている物質です。構造によって電子的・機械的性質に大きな違いがあるため、望みの性質をもつナノカーボン構造のみを狙って精密に合成する方法が求められています。 そのなかで、ナノカーボンの部分構造をもつ分子を有機合成によって精密に合成する「分子ナノカーボン科学」が近年注目され、世界中で研究されています。これまでに、フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブの部分構造となる分子(分子ナノカーボン)が多く合成されてきました。 代表的なナノカーボン3種類(上)およびそれらの部分構造をもつ分子(下) たとえば、カーボンナノチューブを輪切りにした構造の分子であるカーボンナノリングやカーボンナノベルトは、1930年代から理論

    究極に美しい分子を作りたい – 結び目や絡み目をもつベンゼンの鎖
  • カタツムリが語る森の歴史 – 北海道黒松内町のブナ林に残された、100年前の森林伐採の影響

    現在は過去の上に 我々が生きる現在・未来は、過去の出来事を礎に成り立っています。壊滅したアイヌ文化のその先を見ることができぬように、絶滅したニホンオオカミの生態を二度と観ることができぬように、過去は現在を縛る枷といえるでしょう。 海外に留学中の身の上である私が、未だにを履いたまま他所の家に上がるのに抵抗を覚るのも、わざわざ日から持ち込んだ愛用の電気機器を許容電圧の確認もせずに使用して爆発させたりするのも、これまでに経た過去の経験や環境を私が今も引きずって生きているからといえます。 我々の生きるこの世界を意識して見渡せば、人類の社会構造のほか、生きものや自然環境、いうなればこの世界そのものが、すべて過去の上に現在の姿を見せていることに気づくはずです。 過去は森林の底に もちろん森林の生態系もその例に漏れません。たとえば、一見手付かずに見える日の森林も、そのほとんどが長い歴史のなかで、我

    カタツムリが語る森の歴史 – 北海道黒松内町のブナ林に残された、100年前の森林伐採の影響
  • 92歳の長生き貝、津波を生き延びていた! – 日本最長寿の二枚貝殻が明らかにする地球環境変動

    生活に大きく影響する長周期気候変動 地球の気候はさまざまな周期で変動しています。特に、太平洋においては数十年規模の周期で自然に変動する太平洋十年規模変動などが知られています。太平洋十年規模変動は海流や気圧などさまざまな要素が複雑に影響しているのですが、そのメカニズムはよくわかっていません。そのため、地球温暖化によってどのように変動特性が変化するかを理解することはとても重要です。また、北西太平洋は世界でも有数の豊かな漁場ですが、その漁業資源は太平洋十年規模変動などの気候変動に応答して大きく変動することが知られており、水産資源の変動メカニズムの理解と持続的な資源利用という観点からも重要です。しかし、観測機器による気温などの環境記録は古くても1850年代以降に限られており、さらに海洋の観測データは1950年以降に限られているという問題があります。 観測記録の無い時代の環境を調べる方法として、環境

    92歳の長生き貝、津波を生き延びていた! – 日本最長寿の二枚貝殻が明らかにする地球環境変動
  • 系統樹マンダラを作り、サメのカッコよさを広めたい! | academist (アカデミスト)

    おかげさまで達成!そしてその後もご支援が伸びていて感激です。みなさま、当にどうもありがとうございました!実現は決定ですが、制作はまだ進行中です。作品の完成を、そしてリターンの品・イベントをぜひ楽しみにしておいてください! 系統樹マンダラ【サメ編】制作委員会 一同 柴藤亮介 【カメ編】で大好評だった巨大ポスター「系統樹マンダラ」シリーズの新作として、【サメ編】の制作がスタートします! 「サメ」と聞くと、誰もがその姿を想像することができるのではないでしょうか。しかし、多様な種のあいだの違いや彼らの暮らし方、進化の歴史について詳しくご存知の方はあまり多くないと思います。「系統樹マンダラ【サメ編】」では、サメファンやサメ研究者はもちろん、一般の方々にも広くサメのカッコよさ、知られざる進化の歴史を知っていただくことで、サメという生きものへの興味を刺激することを目指します。研究者、アーティスト、デザ

    系統樹マンダラを作り、サメのカッコよさを広めたい! | academist (アカデミスト)
  • トリのクチバシの角質部はサンドイッチ構造をしていた!

    クチバシってどんな動物が持っているどんな器官? クチバシとは、固い角質の鞘(さや)で口の骨を覆っている器官です。現生動物ではトリとカメがクチバシを持っており、摂に使用しているほか、人間の手のように物を掴んだり毛繕いしたりすることに使っています。また、クチバシにはさまざまな形態があり、それに応じて機能も多岐に渡っているため、クチバシを持つ動物の性や行動生態を考察する際に、クチバシの形態や機能に注目することは非常に重要です。 そしてこのクチバシ、実は現生動物だけではなく、トリケラトプス(恐竜)やプテラノドン(翼竜)など一部の絶滅動物も持っていたと考えられています。絶滅動物にとってもクチバシは非常に重要な器官であったことが予想されるため、彼らの生活の様子を復元するためには、彼らのクチバシの形態と機能を正しく把握することが必要です。 しかし、化石になる過程で角質は分解されてなくなってしまうこと

    トリのクチバシの角質部はサンドイッチ構造をしていた!
  • 鳥の種まき追跡! – 3年間の大規模調査で探る、森の果実の量と種のゆくえ

    植物と動物の共生関係 – 周散布とは? 固着性の植物にとって、種子散布は貴重な移動の機会です。植物の多くは、動物に種子を散布してもらっています。動物による種子散布でよく見られるものが「周散布」です。周散布とは、植物が種子の“周り”の果肉を動物に提供し、動物が果実をべて種子を糞として排出することで、種子の散布が成り立つというものです。植物側にも動物側にも利益がある、共生関係といえます。 周散布は温帯林の樹木種の35~44%、熱帯雨林では75~90%を占めており、動物が森づくりに大きくかかわっています。実際、森林伐採や狩猟で動物がいなくなった森は空洞の森といわれ、種子散布されなくった樹木の世代交代が上手くいかなくなっています。 周散布にはナメクジやゴキブリ、バッタなどの無脊椎動物から、カメ、カラス、クマ、ゾウなどの脊椎動物まで多くの動物が参加します。雨季に林床が水に沈む南米の湿地林

    鳥の種まき追跡! – 3年間の大規模調査で探る、森の果実の量と種のゆくえ
  • ミツバチがつくる「ハニカム構造」の謎 – ミツロウの自己組織化をシミュレーションで検証する

    ハニカム構造の謎 人類はミツバチと長い歴史を共にしてきました。採蜜は一万年前から行われているとされ、ハチミツやロイヤルゼリーは貴重な栄養源として重宝されています。また、ミツバチの巣に見られる精緻な「ハニカム構造」は、古くから科学的関心を集めてきました。 ミツバチの巣に見られる「ハニカム構造」 ミツバチの巣は、働きバチが分泌するミツロウからできています。ハニカム構造は耐久性と貯蔵性に優れており、作製に必要な材料を少なくできる利点があるため、ミツバチは進化の過程でハニカム構造を作る能力を獲得したと考えられています。 しかし、どのようにしてミツバチがそのような精緻な構造を作るのか、そのメカニズムは謎に包まれています。営巣メカニズムの解明は、社会性昆虫の代表例であるミツバチの生態を理解するうえで重要なものであり、さらにバイオミメティクスによる応用にも寄与する可能性を秘めています。 そこで私たちは、

    ミツバチがつくる「ハニカム構造」の謎 – ミツロウの自己組織化をシミュレーションで検証する
  • 美しき寄生蜂「ヒメバチ」を再分類し、新種を記載したい! | academist (アカデミスト)

    大塚美穂 子どものころからの昆虫好きが高じて分類学研究の道に進んだ菊地さん。「ヒメバチのシルエットが最高にかっこいいんです!」と語るその目はキラキラしていました。現在日からはヒメバチ亜科に分類される78属270種ほどが記録されていますが、実際には1000種以上の存在が推定され、名前がつけられていない新種のヒメバチがまだまだ多くいるようです。一方でヒメバチ亜科の分類体系そのものにも課題があり、これから新種を記載していくためにも、世界レベルでの分類体系の再検討が必要です。多様なゆえに複雑なヒメバチの分類に挑む菊地さんのチャレンジにご注目ください! ヒメバチの美しさに心奪われて ヒメバチは、さまざまな昆虫やクモなどに寄生する「寄生蜂」と呼ばれるハチの一群です。寄生された宿主は最終的に死んでしまうため、宿主の自然界での重要な天敵となっています。現在私は、ヒメバチのなかでもヒメバチ亜科というグルー

    美しき寄生蜂「ヒメバチ」を再分類し、新種を記載したい! | academist (アカデミスト)
  • 2方式の半導体量子ビットを結合! – 高速で高精度な半導体量子コンピュータに向けて

    量子コンピュータとは? 従来のコンピュータでは、半導体デバイスを微細化することでその情報処理能力の向上が実現されてきました。近年では、原子100個程度の大きさでひとつの素子が構成されるまで微細化が進んだことで、この方向での研究開発が限界を迎えつつあり、新しい動作原理に基づく次世代型コンピュータの実現が切望されています。 特に最も有望視されているのが、量子力学の原理に基づき、複数の情報を同時に符号化することで超並列計算を実行する「量子コンピュータ」であり、その実用化に向けた研究開発が世界的に活発化しています。 これまで光学素子、イオントラップ、超電導回路、ダイヤモンド結晶中窒素 – 空孔中心など、さまざまな物理系を用いた量子コンピュータの研究が進められてきました。なかでも半導体中の電子スピンを用いた「電子スピン量子コンピュータ(半導体量子コンピュータ)」は、既存産業の集積回路技術と相性が良く

    2方式の半導体量子ビットを結合! – 高速で高精度な半導体量子コンピュータに向けて
    fumirui
    fumirui 2019/01/20
  • なぜ哺乳類と鳥類は大きな脳を進化させることができたのか? – ビッグデータが解明する脳サイズ進化の謎

    ヒトを含む哺乳類と鳥類は、同じ大きさの魚類や両生類と比べておよそ10倍~20倍大きな脳を持っています。哺乳類と鳥類のなかに高い学習能力や社会性を持つ動物が多く見られるのは、このように大きな脳を持っていることと関係しています。 体のわりに脳が大きく進化する現象は「大脳化」と呼ばれています。大脳化は高度な認知能力とそれに付随するさまざまな行動を可能とするため、いろいろな環境下で生存・繁殖上の利益をもたらすと考えられています。こういった適応的側面だけを考えれば、すべての脊椎動物に大脳化の機会があったと考えるのが自然です。しかし、大脳化はごく少数の例外を除いて哺乳類と鳥類でしか生じていません。なぜ、哺乳類と鳥類だけが大脳化に成功したのでしょうか?私たちはこの謎に迫りました。 北米に生息するミドリツバメ(学名:Tachycineta bicolor)の生後3日齢の雛。このように未熟な状態で生まれるの

    なぜ哺乳類と鳥類は大きな脳を進化させることができたのか? – ビッグデータが解明する脳サイズ進化の謎
  • 精神疾患関連遺伝子から探る、人のこころの進化 ?p=8376

    性格と精神疾患は共通の遺伝基盤をもつ 私たちは俗に「個性」や「性格」といわれる、個体間で異なりつつ、個体内では一貫した行動特性を持って生きています。心理学の分野において、人間の性格は、協調性、誠実性、外向性、開放性、神経症傾向という5つの因子で構成され、文化や民族をこえて共通にみられることが指摘されています。また、遺伝学の分野では、近年の大規模ゲノム解析の進展とともに、上述の性格の5因子に影響を与える遺伝子や遺伝的変異が特定され、性格の遺伝学的基盤に注目が集まっています。一方で、これらの研究のひとつの発見は、「性格と精神疾患は共通の遺伝基盤をもつ」ということでした。すなわち、精神疾患に関連する遺伝子は、同時に性格の違いにも影響しており、精神疾患と性格のあいだにはある種の量的な違いがあるだけかもしれないのです。 しかし、こうした性格や精神疾患に関わる遺伝子がどのように進化してきたのかについて

    精神疾患関連遺伝子から探る、人のこころの進化 ?p=8376
    fumirui
    fumirui 2018/09/19
  • ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合

    外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで

    ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合
  • “車輪細胞”見つけた! – 魚類皮膚の細胞が移動する原動力とは

    車輪生物はなぜいない? 車輪は人間の最も優れた発明のひとつです。私たちは自転車、自動車、列車などを利用して、地表を自由に移動することができます。同じ距離を同じ時間をかけて自転車で移動するのとランニングで移動するのを比べたとき、自転車で移動したほうがはるかに楽なことからも、車輪という移動装置がいかにエネルギー効率の高いものであるかわかります。 生命現象のエネルギー効率は人工機械のエネルギー効率よりも高いと一般的に言われています。それならば、生物は進化の過程で車輪を移動器官として獲得していてもよいはずです。しかし、大腸菌やサルモネラ菌のような細菌の鞭毛のモーター、ウンカの幼虫の後脚の歯車など、回転運動する器官は生体内に存在するものの、車輪そのものを器官として持ち、その器官を使って移動する生物はいまだ発見されていません。 車輪生物がなぜいないのかという疑問はさまざまなところで取り上げられています

    “車輪細胞”見つけた! – 魚類皮膚の細胞が移動する原動力とは
  • 水銀から金をつくる「原子炉錬金術」を実証する! | academist (アカデミスト)

    大塚美穂 夢物語ではありません。元素の核変換が生じる原子炉の仕組みを活用して、戦略的に元素を生成するための研究が進んでいます。不要なものから必要なものを、豊富なものから希少なものを、安価なものから高価なものを。期待が膨らむこの技術の実現に向けて、高木さんと竹澤さんは、象徴的な元素である「金」の生成を実証することで第一歩を踏み出したいと言います。現代の「錬金術」を志す2人の研究者のチャレンジに、応援をよろしくお願いします!       2018年7月16日に開催される都市大セミナー「元素合成 ー宇宙と原子炉の錬金術ー」の案内はこちらからご覧いただけます。 原子炉内で生じる核反応 みなさんは原子炉という言葉を聞いてどのようなイメージをもつでしょうか。原子力発電を思い浮かべ、エネルギーを生産するもの、なにか危ないもの、といったイメージをもつ方が多いのではないかと思います。原子炉とは、核分裂連鎖反

    水銀から金をつくる「原子炉錬金術」を実証する! | academist (アカデミスト)
    fumirui
    fumirui 2018/07/22