「生きた化石」と呼ばれる魚、シーラカンスが群れをなしている様子をNHKの取材班が撮影し、繁殖につながる可能性のある行動を捉えることに成功しました。シーラカンスの繁殖行動はこれまで謎に包まれていて、専門家は生態に迫る貴重な映像だとしています。 シーラカンスは、およそ4億年前の魚の化石とほとんど変わらない姿をしていることから「生きた化石」と呼ばれ、いまもアフリカとインドネシアの近海で生息していることが確認されていますが、主に水深100メートルより深い海に生息し、個体数も少ないため、詳しい生態はほとんどわかっていません。 NHKの取材班は去年8月、インドネシアのスラウェシ島の沖合で、国内外の研究者による調査チームとともに潜水艇に乗り込み、高精細な8Kカメラで撮影を行いました。 調査では、水深およそ160メートル付近で1匹のシーラカンスを見つけ、3台の潜水艇でかわるがわる観察し続ける「72時間連続
シルバー・グレン・スプリングスの泉で泳ぐマナティーの体に、ナマズがぶら下がっている。(Photograph by Nicholas Conzone) 「1頭のマナティーに20匹ものナマズがぶら下がっているのを見たこともあります。頭や目にまで張り付いていて、マナティーはどんなに気持ちが悪かったことか」。米国フロリダ州ブルースプリング州立公園の泉で目にした光景を振り返るのは、非営利団体「セーブ・ザ・マナティー」のマルチメディア担当兼マナティー研究員であるコラ・バーチェム氏だ。 このナマズはマダラロリカリア(Pterygoplichthys disjunctivus)で、「プレコ」とも呼ばれる。体長は60センチほど。黒い体に紫と茶色のまだら模様とよく目立つ帆のような背びれがあり、平たい腹は水底の藻を食べるのに適している。 フロリダでは侵略的外来種で、川底に生息している。1950年代に南米からフロ
研究成果のポイント 海と川を行き来する回遊魚の生涯の海と川での成長が、北方ほど海に依存することを広域なフィールド調査と耳石微量元素解析によって明らかにしました。 通し回遊魚の海洋依存度-緯度傾向が種内の同じ回遊型に現れることを初めて示し、通し回遊の起源が相対的な水域の生産性に起因するという仮説を支持するとともに、これまで見過ごされてきた回遊型内の多様性の地理的変異を明らかにしました。 緯度に沿った海・川への依存の傾向は、森・川・海の繋がりをもたらす通し回遊魚の存続に地球温暖化が与える影響を予測するうえで役立つことが期待されます。 通し回遊魚における海洋・河川依存性の緯度クライン 研究概要 東京大学大学院農学生命科学研究科の後藤暁彦大学院生、黒木真理准教授、東京大学大気海洋研究所の森田健太郎教授の研究グループは、遡河回遊魚(注1)の生涯にわたる海洋への依存度が緯度とともに高まることを明らかに
(CNN) 南米ペルーで調査旅行を実施した研究者らが、27の新種の動物を発見した。その中には「ぶよぶよ頭の魚」や半水陸両生のネズミが含まれる。 当該の調査旅行は非営利の環境団体が2022年に38日かけて実施。ペルー北西部のアルトマヨ保護林を探索した。約77万ヘクタールにわたって森林と農地が広がる同保護林には、多様な生態系が存在する。 現地は人口の多い地域だが、地元の生物多様性や生態系の状態についてはほとんど知られていなかった。研究者らは調査旅行中のデータ収集を通じ、知見の不足を解消できると期待を寄せていた。 しかし実際に発見した新種は哺乳類4種、魚類8種、両生類3種、蝶(チョウ)10種と、想定を上回る数だった。 最も驚くべき新種は水陸両生のネズミだ。つま先に水かきがあり、水中での生活に適応している。このネズミが属する半水生の齧歯(げっし)動物は「極めて珍しい」と、調査旅行を率いた研究者のト
2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にして紹介しているWebメディアのSeamless(シームレス)を運営し、執筆しています。 1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深い技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。 今回は、自然界に存在しないDNA配列を生成できるAIシステムを提案した論文「Machine-guided design of cell-type-targeting cis-regulatory elements」に注目します。 開発したAIモデルは、DNA配列を入力すると、3種類の異なる細胞(K562、HepG2、SK-N-SH)それぞれでその配列がどのように働くかを予測でき、さらにどの部分の配列が予測された機能に寄与しているかも解析できます。 まず研究チームは、K562(赤
名古屋市の東山動植物園にある「世界のメダカ館」。 実は、絶滅の危機にあるメダカを守る世界一のすごい!施設なんです。 いったいどんな施設なのか、それを支える飼育員にも迫りました。 (NHK名古屋 リポーター 山﨑優里) 世界一!メダカを守る施設 かつて私たちの身近な存在だったメダカ。いまや絶滅の危機にあるんです。 かつては身近な存在だったメダカ そんなメダカを守ろうと、東山動植物園に31年前に開館したのが、「世界のメダカ館」。 東山動植物園「世界のメダカ館」 「行ったことがない!」という方も意外と多いかもしれませんね。 場所は、東山スカイタワーの近くです。 園内中央「東山スカイタワー」の近く 中に入ってみると…。 「世界のメダカ館」 館内には水槽がずらりと並ぶ 黒色のインドネシアの「ネブローサスメダカ」に。 インドネシアのネブローサスメダカ 鮮やかな色が目を引く「ウォウォールメダカ」。 イン
要点 胃を持たない魚(無胃魚)で共通して欠失・偽遺伝子化した4つの遺伝子を特定。 無胃魚で欠失した遺伝子の一部が胃を持たない哺乳類でも欠失していることを確認。 器官の喪失に伴う収斂的なゲノム変化の理解や、生物多様性保全への応用に期待。 概要 東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の加藤明准教授、太田地洋大学院生、永嶌鮎美助教、同 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センターの駒田雅之教授、東京大学 大気海洋研究所のSupriya Pipil(スープリヤ・ピピル)博士(研究当時)、渡邊太朗博士、黄國成助教、竹井祥郎名誉教授、静岡大学 学術院理学領域の日下部誠教授、メイヨー医科大学(米国)のMichael F. Romero(マイケル・F・ロメロ)教授らの研究グループは、さまざまな系統に属する無胃魚で共通して4つの遺伝子が欠失・偽遺伝子[用語1]化していることを発見した。 魚類全体の20-2
アメリカの水族館で飼育されているメスのオーストラリアハイギョ「メトセラ(Methuselah)」は、飼育魚として世界最高齢となる84歳と推定されていました。 しかし新たなDNA検査により、研究者らの予想を超えて、メトセラは100歳を超えている可能性が浮上したのです。 米カリフォルニア科学アカデミー(CAS)、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の報告によると、メトセラの年齢は推定92歳から最大で101歳に達しているとのこと。 ハイギョ自体が長寿の魚ですが、現時点でメトセラより高齢のハイギョは知られていないといいます。 World’s oldest aquarium fish ‘Methuselah’ could be decades older than we originally thought, DNA clock reveals https://www.livescien
東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出が進められています。国は安全だとしていますが、SNSではさまざまな声が出ています。 その中で、多くの投稿があるのが「処理水に含まれるトリチウムが生物の体内で濃縮される、生物濃縮が起きるのではないか」という疑問です。 生物濃縮はしないとされていますが、どういう理由でしないのか。 トリチウムの取り扱いを研究してきた専門家や放射線の影響に詳しい専門家などに取材してまとめました。 Q.生物濃縮って? そもそも「生物濃縮」ってどのようなことなのか? 「環境中の特定の物質が生体内に濃縮・蓄積されること。食物連鎖を経て、濃縮率が数十万倍以上に達することもある」(「広辞苑」より) 海の生物の場合、プランクトンを小さな魚が食べ、その魚をさらに大きな魚が食べるという食物連鎖を経て、ある物質がより大きな魚にたまっていくという現象です。
米国・デポール大学と埼玉県立自然の博物館など複数の大学および博物館の計7者は7月12日、埼玉県の天然記念物である、約1000万年前の巨大ザメ「メガロドン」(Otodus megalodon)1個体に由来する「楯鱗」(じゅんりん:軟骨魚類特有の原始的なウロコ)化石を検討。部分的内温動物であることを利用して栄養分の消化吸収を促進する遊泳速度の遅いサメだったという新説を発表した。 メガロドンの楯鱗化石。右下は0.5mmのシャープペンシルの芯。撮影:デポール大学の島田賢舟教授(出所:共同プレスリリースPDF) 同成果は、デポール大の島田賢舟教授、埼玉県立自然の博物館の山岡勇太学芸員、三重大 教育学部の栗原行人教授、群馬県立自然史博物館の髙桒祐司地学研究係長(学芸員)を含む国際共同研究チームによるもの。詳細は、地質時代を通じた生命の歴史と古生物学を扱う学術誌「Historical Biology」に
HOMEブログスタッフブログ改良メダカの 放流禁止について 2023.3.21備忘録 「中池見のキタノメダカがピンチ! 私たちにできることは?」
長野県上高地 ここに生息するニホンザルが『生きた魚を捕まえて食べる瞬間』の撮影に大学やNHKなどのグループが世界で初めて成功した。 「サルが魚を捕まえた」というと、何だかほっこりするような話にも感じるかもしれないが、実は「サルの仲間が魚を捕って食べること」は極めてまれなこととされている。 少なくともニホンザルではこうした行動が確認されたことはなく、科学的な調査で明らかになった新事実なのだ。 この映像は2022年11月に国際的な科学誌にも掲載された。 新たに確認されたサルたちの行動。 その行動から見えてきたのは、極寒の地で生きるニホンザルたちが会得した独自の「サバイバル術」である可能性だった。 調査の現場を密着取材していたNHKの取材班が、世界に衝撃を与えたサルたちの行動の秘密や撮影の舞台裏を伝える。 2022年7月、1つのニュースが世界中のサルの専門家たちを驚かせた。 「ニホンザルが生きた
サンゴやウナギ、カンモンハタなど月の満ち欠けと一斉産卵が重なるケースは多くあります。 クサフグもまた新月と満月の日に集団で産卵を行う生き物の一つです。 このように月の満ち欠けが様々な生物に影響を及ぼしているのは明らかであるものの、意外にもそのメカニズムに関しては明らかにされていませんでした。 そんな中、2022年10月名古屋大学を中心とした研究チームによってクサフグが月の満ち欠けに伴って集団産卵するメカニズムが発表され、注目を集めています。 A pheromone that explains why puffer fish spawn on beaches under moonlight https://phys.org/news/2022-10-pheromone-puffer-fish-spawn-beaches.html クサフグが大潮に一斉集団産卵する仕組みを解明 月の満ち欠けによ
リンク コトバンク 発光細菌とは - コトバンク 日本大百科全書(ニッポニカ) - 発光細菌の用語解説 - 発光する機能をもつ細菌をいい、発光菌ともよぶ。発光細菌には、死魚や海産物の表面で繁殖する海水産のものが多いが、なかには、動物の死屍(しし)や肉に繁殖するものもある。発光細菌の多くは低温性で、通常は15~20℃が適温、37℃では発光しな...
“現ギネス記録保持者”の「2300kgのウシマンボウ」の記録が破られる 巨大生物は皆のロマンだ。しかし、今日は千葉県民……いや、日本の皆さんに悲しいお知らせがある。「世界で最も重い硬骨魚(世界最重量硬骨魚)」として君臨していた千葉県鴨川市沖の定置網で1996年8月16日に漁獲された2300kg(全長272cm)のウシマンボウ(雌)の個体 が、ついに世界2番目に降格してしまったのだ! 硬骨魚とはサメ類とエイ類除く主な魚類だ。この2300kgのウシマンボウは、最重量硬骨魚としての現在(2022年10月13日時点)のギネス世界記録保持者 でもある。記録は更新され続けるもの。いつかはこの記録が破られる時が来るとは思っていた……しかし、その日が来るのは、私が思っていたより遥かに早かった。何故なら、この2300kgのウシマンボウをギネス世界記録保持者にしたのは他ならぬ私だ。この個体は写真でしか見たこと
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く