組版というものはかなり主観的なものだということを以前述べたが、その主観的なものを「ルール」という呼び方をするのはいかがなものか、と最近思いはじめた。 文字を組んでいくとき、こうしたほうが読みやすいとか、綺麗に見えるというのは確かにあるのだろうが、概ねケースバイケースであって、一般に言われている「組版ルール」がどのようなレイアウトでも正しいというわけではない。 たとえば拗促音の扱いがある。拗促音は「組版ルール」では行頭禁則にあたるものだ。QuarkXPress3.3JとIllustratorは拗促音の行頭禁則には対応していないし(QuarkXPressはXTensionで可能)、PageMaker6.0J以降はたしか段落設定の禁則処理で[標準]を指定すると、拗促音の行頭禁則が行われる。 拗促音を行頭禁則するのは、可読性のためである。「きっと」と言う言葉があって、「き」で行末となり、「っ