荒牧陽子さんが歌手として大成することを願いつつ、古代から現代に至る日本のものまね芸の歴史について紹介していきます。 林家木久蔵(現在は木久扇)が「笑点」などで披露する「♪いや〜ん、ばか〜ん」の歌を聞いたことのない人はいないだろう。これを「セントルイス・ブルース」のメロディに乗せ、あほな歌詞で延々と歌っていくところは、ジャズ好きな木久蔵の工夫だが、このセリフ自体は、日本一色っぽい芸で知られた三味線粋談の柳家三亀松(やなぎや・みきまつ、1901-1968)のネタだ。 三亀松が芸者の声色でやる「いや〜ん、……ばか」は有名であって、本物の芸者たちが自分よりも色っぽいと驚き、三亀松に惚れまくったほどだ。「いや〜ん」の後で、ちょっと間を置き、「ばか」は嬉しさを隠してそっとつぶやくのがコツである。 私は、寄席ではかなりの名人たちも目にしてきたが、高座で強烈なオーラを発しているのを見たのは、後にも先に
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