字は、人を表す。ちょっとしたコツで、きれいな字がかけるようになります。 [楷書と行書の成り立ち] 行書体は「くずし字」などと呼ばれることもあり、楷書をくずすと行書ができあがるようなイメージがあります。まずは、楷書と行書の区別を詳しく述べる前に、その歴史的な発生をみることにします。 書体というのは、歴史的に見ると、篆書(てんしょ)・隷書(れいしょ)・楷書・行書・草書の五つに分けることができます。複雑で実用性に欠けた篆書が簡略化して隷書となり、それがさらに簡略化されて、西暦400~600年頃、楷書が成立しました。 行書は楷書とは別の系統で、隷書を速く書くための書体として、楷書が完成するよりも早い時期の300年頃に成立しています。したがって、楷書が先にあって、それをくずしたものが行書ということではないのです。もちろん、楷書も行書も同じ中国で発生したものなので、行書が楷書の歓声になんらかの影