例のトッド=速水会談を読んで、歴史人口学に興味が湧いたので、新書から読んでみることに。ほとんど知らない世界なのでいろいろ発見があった。 興味深い事実について ① 江戸時代、吉宗の治世のときから(1721-1846)全国規模で人口調査がすでに行われていたこと。ただしその調査は各藩でもともと行われた方法・基準を踏襲し、全国一律の方法ではなかったため、そこから厳密な全体の人口を知ることはできない。ただしそれぞれの藩での方法はずっと一貫しているため、地域ごとの変動などは知ることができる。 この江戸後期、全体としては日本の人口は停滞期にありほとんど増えていないのだが、地域ごとの人口変化を見ると減っていった地域と増えていった地域の差が生じている。主に減っているのは北関東、近畿圏など江戸、大阪、京都の三大都市圏周辺であり、増えているのは北陸、西中国地方、九州、四国である。この人口増加地域に薩長土肥がすっ