一般的には講談の口演を速記で筆録して刊行した書籍を、講談速記本としている。 こちらも参照のこと: wikipedia:講談速記本 一八八四年、怪談牡丹灯籠が出版される。三遊亭円朝の怪談牡丹灯籠を、田鎖綱紀の速記講習会を卒業した若林玵蔵(かんぞう)と酒井昇造が速記し制作した作品である。これは速記の効用を宣伝を目的とした出版であったが、世間から絶賛される。 その後も円朝による速記本は、刊行されるたび人気を博し、講談・落語の速記本が相次いで出版されるようになる。こうして講談・落語速記本は、ひとつの商法として成立するようになる。 円朝に始まったものの、やがて落語の速記は廃れていき、講談による作品が増えていく。江戸時代にはすでに講談の種本(たねほん)が、貸本屋で人気を博していたことを考えると当然の成行といえよう。 一八九〇年に帝国議会が開設、議会速記が必要とされるようになると、速記者から講談の速記は