おめあての指揮者とオーケストラの演奏会のチケットを持って、演奏会が行われるコンサートホールに向かう。私たち音楽ファンにとって、ごくありふれた光景です。では、コンサートホールはいつごろ誕生し、私たち一般の人が「演奏会に行く」ことができるようになったのでしょうか。 1980年代以降、日本全国にクラシック音楽の演奏を目的としたコンサートホールが建設されるようになりました。ホールが増え、それぞれの個性があきらかになるにつれて、優れた演奏会には、優れた演奏家や歌手、楽器だけでなく、コンサートホールによる響きの仕上げもまた、重要なものであるという認識も音楽業界の間に浸透してきます。 今回は、音がカタチになる場所、コンサートホールの歴史とその形状による特徴について、ご紹介したいと思います。 コンサートホールの登場 私たちがコンサートホールを訪れて気づくのは、どのようなことでしょうか。まず目につくのは、壁