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ブックマーク / koken-publication.com (3)

  • 時代考証という仕事【呉座勇一】

    『公研』2021年2月号「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証を、歴史学者の坂井孝一さん、木下竜馬さんと共に行うことになった。主人公は、承久の乱で後鳥羽上皇を破った鎌倉幕府2代執権北条義時(北条政子の弟)で、小栗旬さんが演じる。脚は三谷幸喜さんである。 さて、時代考証の仕事とは何か。基的な業務は、三谷さんの台草稿を読んで、事実関係(いつ、どこで、誰が、何をしたか、など)の誤りを指摘することだ。 しかし、それだけではない。三谷さんが誤解・勘違いをしているわけではなく(むしろ、そういう事例は少ない)、意図的に歴史的事実と異なる話、史実として確認できない話を書くことがある。いわゆる脚色・創作である。 一例を挙げよう。史料にはAという人物が行ったと書かれている出来事を、Bという人物の話に改変する、ということがある(Aは劇中に登場しない)。

    時代考証という仕事【呉座勇一】
  • 軍事アナロジーの危うさ【大木毅】 | 公 研

    『公研』2020年5月号「めいん・すとりいと」 大木 毅 コロナ禍の蔓延により、世情は騒然としている。むろん、根的な解決はワクチンの開発を待つほかなく、それまでは、いわゆる三密を避けての外出自粛等で感染爆発を防ぎながら、しのいでいくしかないのだろう。さりながら、そうした対応は社会・経済的なカタストロフィをもたらしかねない。「国難」という表現もけっして大仰であるとは思われぬ状況だ。政治家をはじめとする各界の識者がさまざまな提言をなすのも当然であるけれども、ある種の傾向が目立つことが気になる。 その傾向とは、軍事アナロジーの多用だといえば、説明の必要もあるまい。緊急事態宣言発布や給付金交付の遅れをみては「戦力の逐次投入は愚策」と批判し、さらにはコロナ対策はウィルス相手の「戦争」であり、「戦略」を以て対さなければならぬと唱える。平和な日のどこに、これほど多くの軍師が隠れていたのかと驚くばかり

    軍事アナロジーの危うさ【大木毅】 | 公 研
  • 明治維新はどのように日本社会を変えたのか?

    『公研』2018年1月号「対話」 奈良岡 聰智・京都大学大学院法学研究科教授×清水 唯一朗・慶應義塾大学総合政策学部教授 明治元年から150年が経った。明治維新は日にどのような変化をもたらしたのだろうか。最新の研究報告をもとに考える。 「復古」なのか「革命」なのか「刷新」なのか 奈良岡 今年は明治元年から150年ということで、明治維新再評価の試みがいろいろなところで行われています。明治維新をテーマにした小説は数多くあるし、NHKの大河ドラマでも何度も取り上げられていますから、日人はこの時代に慣れ親しんでいる。明治維新という言葉は日人に根付いていますが、実は英語で翻訳した時には定訳がまだ定まっていないんです。まずは、「維新」にはどのような訳語が相応しいのかという話題から始めたいと思います。辞書には「Meiji Restoration」と書いてあります。「The Restoration」

    明治維新はどのように日本社会を変えたのか?
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