ソーカル事件 ポストモダンの言葉づかい 偶像破壊者ファイヤアーベント なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて 作者:ジェームズ・ロバート・ブラウン発売日: 2010/11/20メディア: 単行本 まず、訳者あとがきから ソーカル事件 ソーカル事件に対するおもな反応をひとことでいえば、「やっぱり!」だろう。そう思った人たちは、二つのグループに分けることができる。 1.右派が思った。「脱構築とか言っているやつらは、やっぱりたわごとを言っていたのだ」 2.科学者が思った。「人文・思想系の人たちの言うことはわけがわからんと思っていたが、わけがわからんのは当然だったのだ」 ソーカルが直接的に攻撃対象としたのは、政治的にはリベラルで、学問的には構成主義のなかでもいわゆるポストモダン派として括られる人たちだった。この人たちは、物理や数学をいいかげんに援用したり、言葉づかいにやけにこだわった