「心は女性なのに、男性の大部屋に入院するよう言われた」「医師からパートナーの病状説明を受けられない」-。同性愛者やトランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)など、LGBT(性的少数者)は、医療や福祉のサービスを受ける際に、壁が立ちはだかることが少なくない。そんなニーズを知ってもらおうと、大阪市のNPO法人QWRC(クォーク)が啓発冊子「LGBTと医療福祉」を作り、無料配布している。 関西地方に住む徳田陽さん(33)=仮名=は8年前、交際中の同性パートナーからのドメスティックバイオレンス(DV)被害に悩んでいた。激しい嫉妬から外出を妨害されるようになり、椅子や包丁を振り回され、「死んでやる」と脅された。支援団体に助けを求め、公的シェルターに保護された。 DVから逃れるために仕事は辞めざるを得なかった。度重なる暴力でうつ病になり、通院が必要だが、お金がない。生活保護の申請を勧められ、役所の