映画やテレビの世界で3Dテクノロジが勢いを増すことにより、監督やディレクターたちはストーリーテリングの手法を変えざるを得なくなるだろう。 断崖から落下したり小惑星をぬって空中戦をしたりする、息をのむような映像で3D効果に注意をひきつける時代には終わりを告げよう。これからの監督やディレクターたちは、パンのスピードを下げ、カットを減らし、もっと慎重にカメラを動かして、テクノロジをストーリーに溶け込ませるだろう。このような新しい3D映画は、2Dで見ると退屈に感じられるかもしれないが、3Dで見れば、これまでよりいっそう魅力的なものに感じられるようになるだろう。 「残念ながら、これまでの3Dは、悪い3Dだった」と語るのは3alityの最高経営責任者(CEO)であるSandy Climan氏だ。3alityは、3次元エンターテインメント用の「映像の取り込みから処理までのあらゆるテクノロジ」(Clima
第113回:International CES特別編 2009年に注目したい映像最新技術 ~3D、有機EL、次世代高精細パネル、超解像~ 今回はCESで見かけた、2009年に大きな動きが見られると思われる、最新技術トレンドをお伝えしよう。 ■ 3D表示の基本をおさらい 今年のCESでは、各社が申し合わせたように立体視技術を展示していた。内容は革新的な立体視技術の発表よりも、既存の立体視技術を“いかにわかりやすく一般ユーザーに使ってもらうか”という視点での展示が多い。 立体視技術は大別すると、メガネをかけて見る「眼鏡立体視タイプ」と、裸眼の「裸眼立体視タイプ」がある。そして、「眼鏡立体視」でよく用いられる技術には「パッシブタイプ」と「アクティブタイプ」が存在する。パッシブタイプはメガネの左右に、異なる偏光を通す“偏光フィルタ”を採用したものだ。 左目用と右目用の映像が同時に表示されるが、偏光
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