タイトルは『げいさい』という。ときは1986年の秋。とある美大の学園祭「芸祭」での一夜の出来事が、佐渡島出身の美大進学志望浪人生・本間二朗を中心に活写されていく。日本美術界への問いかけをたっぷり含んだ青春群像劇だ。 この刊行を機に対談の場が設けられた。お相手は、漫画家・山口つばさ。 代表作にして現在も月刊「アフタヌーン」に連載中の作品『ブルーピリオド』(第1話はこちらから)は、イマドキの高校生・矢口八虎がひょんなことから絵を描くことに目覚め、多様な仲間たちとともに美大を目指す物語。「マンガ大賞2020」大賞を受賞するなど、人気と評価を一身に集める話題作である。 ともに『ブルーピリオド』の作品内でも「日本一受験倍率が高い学科」と紹介されている最難関「東京芸術大学」の絵画科油画専攻に学び、それぞれ現代美術界と漫画界でトップを張る会田誠と山口つばさ。両者の交わす言葉、じっくりご鑑賞のほど。 (全