〈我々はいま、ウクライナ戦争の報道を日々眼にしていますが、西側の主流メディアは、最も肝心な“現実”をきちんと伝えていません。西側陣営が直視できていない“現実”とは、米国がすでにウクライナ戦争で負けてしまったことです〉 こう断言するのは、仏の歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・トッド氏だ。しかし、なぜ「米国はすでにウクライナ戦争で負けている」と断言できるのか。 〈私は昨年6月の時点で、「『長期戦』で軍需品を消費し続ければ、『高度な軍事技術』よりも『兵器の生産力』が課題として浮かび上がってくる」「米国にとって『生産力』の問題がこれから重くのしかかってくる」(『第三次世界大戦はもう始まっている』文春新書)と指摘しましたが、グローバリゼーションによる「産業空洞化」という米国の弱点がここに来て露わになっています〉
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