日経アーキテクチュアが4月23日に発刊した書籍「プレモダン建築巡礼」から、いくつかの記事をより抜いてご覧いただきます。今回は大正3年に竣工した東京駅丸の内駅舎。息子を相撲取りにさせようとしたほど相撲が大好きだったという建築家、辰野金吾が設計しました。その姿は、力士の土俵入りに似ているとも……。 ガイドに案内されながら観光客のグループがカメラを建物に向ける。ドームの中に入ると、足早に改札を抜けようとするビジネスパーソンに交じって、飽かずに天井の装飾を眺めている。2012年に改修を終えた東京駅の丸の内駅舎では、そんな光景が日常的に見られるようになった。 乗車人数も増えた。改修前はJR東日本エリアの駅でランキング5位だったが、改修翌年には、新宿、池袋に次ぐ3位にまで上昇した。 改修の見せ場は、何といっても戦災で失われたドーム屋根の復元だ。実は工事が行われる前までは、屋根はそのままでもいいのでは、
![国技としての建築様式─東京駅丸の内駅舎(大正3年)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6a7a8dab68036d09596060eeeed2a40be7fee9b4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00261%2F050700009%2F01_m.jpg%3F20220512)