本連載で繰り返し述べているように、新型コロナウイルス感染症をどの程度重大な疾患とみるかについては医師の間でも意見が分かれます。「若者にとっても大変な脅威」と考えロックダウンなど積極的な施策を推薦する医師がいる一方で、「ただの風邪」とみなし、前回のコラム「新型コロナ 法的に『インフル並み』の扱いは無理」で述べたように、感染症法上の分類を、インフルエンザ並みの「5類」に格下げすること望む医師もいます。 検査についても医師の間で意見が分かれます。新型コロナの検査にはPCR検査、抗原検査、抗体検査があります。今回取り上げるのはPCRで、新型コロナが国内で流行しだした2020年2月から、「誰に検査をすべきか」「検査の対象を広げるべきか」についてさまざまな意見が飛びかっていて、現在も医師間で意見がまとまっていません。今回は、なぜ医師の間で意見が分かれるのかについて私見を交えながら説明していきます。まず
![新型コロナ 基本に背いても検査を増やすべき理由 | 実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- | 谷口恭 | 毎日新聞「医療プレミア」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d08cd7af7516570aea90a4ec529d36161f9571ac/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2021%2F02%2F12%2F20210212med00m100006000p%2F0c10.jpg%3F1)