『pronto pronto?』Vol.5 (2006年11月)を読んでいたところ、「トリビア名誉教授 唐沢俊一のビジネス課外授業。」(p.15)に、忘年会に関するガセネタが載っていた。 日本人が年末に忘年会を開く習慣は明治時代に定着した。忘年会という言葉も明治になってから作られたが、この単語を初めて小説の中で使ったのは夏目漱石である。 建部綾足の『古今物わすれ』(吉野家七兵衛, 明和9年正月)に、「今は世の中のせまりたるに、うき一年を忘れはべらばやとてぞ、忘年会はすなり」って書かれてるの、結構、有名な話なんだけどな。唐沢俊一は、明和と明治の元号の違いもわからないんだろうか。 あるいは小説に限ったとしても、春の舎おぼろ(坪内逍遥)には、その名もズバリ『忘年会』(読売新聞, 明治20年12月28~30日)っていう題名の新聞小説がある。漱石の『吾輩は猫である』(ホトトギス, 明治38年1月~明