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ブックマーク / sociology.jugem.jp (38)

  • 性・人種間不平等への組織論的アプローチ:慣性・相対的勢力・環境 | Theoretical Sociology

    Kevin Stainback, Donald Tomaskovic-Devey and Sheryl Skaggs, 2010, "Organizational Approaches to Inequality: Inertia, Relative Power, and Environments," Annual Review of Sociology, Vol.36 No.1, pp.225-247. 組織という観点から性別や人種による不平等にアプローチした研究に関するレビュー論文。 1980年代に社会階層論に組織や市場という概念を持ち込む研究が現れた。賃金は雇い主と労働者の間で決まるし、市場の中で個々の企業の利益も決まる。それゆえ、経済的不平等を考える場合、企業や官公庁などの職場と、それらを取り巻く環境を直接的な考察の対象とするのは、しごくまっとうなアプローチである。しかし、それまで

    性・人種間不平等への組織論的アプローチ:慣性・相対的勢力・環境 | Theoretical Sociology
    gauqui
    gauqui 2011/12/26
    不平等の三要因
  • 新自由主義的な経済政策の世界的な伝播 1977-1999 | Theoretical Sociology

    Witold J. Henisz, Bennet A. Zelner and Mauro F. Guillén, 2005, "The Worldwide Diffusion of Market-Oriented Infrastructure Reform, 1977-1999," American Sociological Review, Vol.70 No.6, pp.871-897. 電話産業と電力産業の民営化を含む市場志向的な政策が世界的に伝播していくメカニズムについて検討した論文。いわゆる新自由主義的経済政策は、ケインズ主義的な経済政策と対置され、ケインズ主義が需要側 (demand-side) の政策を重視するのに対し、新自由主義は供給側 (supply-side) を重視するという。ケインズ主義は財政出動を通して需要を創出し、完全雇用を実現しようとするのに対して、新自由主義は

    新自由主義的な経済政策の世界的な伝播 1977-1999 | Theoretical Sociology
  • 求む! 日本社会学のオーラル・ヒストリー・プロジェクト | Theoretical Sociology

    学説史といえば、書かれたテクストの検討だが、当事者が生きていてアクセスが可能ならば人に直接聞いてみるというのも一つの方法であろう。特に退職された先生方などは大学や学会内の利害関係から相対的に自由かもしれないので、今だから話せるようなことを話してくださるかもしれない。一部には自伝を書かれたり、インタビューを受けたりしておられる先生もおられるが、そうでない社会学者は数多い。彼らの証言や思いを記録に残しておくことは、日の社会学の歴史を書く上で、非常に有益であるように思う。いわば日社会学のオーラル・ヒストリー・プロジェクトが求められているのだ。しかるに、そのような研究は管見の範囲では存在していない(社会学史学会あたりでやってないのだろうか?)。こうして我々が手をこまねいているうちにも、社会学の歴史を担ってきた社会学者が鬼籍に入ってしまうかもしれない。事態は急を要するのである。「そのうちやって

    求む! 日本社会学のオーラル・ヒストリー・プロジェクト | Theoretical Sociology
  • 脱工業化を説明する:経済的豊かさ、生産性の上昇、そしてグローバル化はどの程度製造業の雇用を減少させるのか | Theoretical Sociology

    Christopher Kollmeyer, 2009, "Explaining Deindustrialization: How Affluence, Productivity Growth, and Globalization Diminish Manufacturing Employment," American Journal of Sociology, Vol.114 No.6, pp.1644-1674. 脱工業化を規定する要因を、OECD 18 ヶ国(1970-2003年)のデータを使って分析した論文。脱工業化を規定する要因として 3つのものがこれまで指摘されてきた。 経済的豊かさ。人々が経済的に豊かになると、料や工業製品だけでなく、サービスに対する需要が高まる。豊かさが高まるにつれて工業製品への需要の増加は頭打ちになるが、サービスに対する需要はもっと伸び続けるので、脱工業

    脱工業化を説明する:経済的豊かさ、生産性の上昇、そしてグローバル化はどの程度製造業の雇用を減少させるのか | Theoretical Sociology
  • 移住履歴と職業的地位達成 | Theoretical Sociology

    Clara. H. Mulder and Maarten van Ham, 2005, "Migration histories and occupational achievement," Population Space and Place, Vol.11 No.3, pp.173-186. 移住履歴と職業的地位達成の関係についてオランダのデータで検証した論文。居住地や地理的移動と社会的地位のあいだに関係があることはよく知られた事実である。Mulder and van Ham は両者の関係について以下のような仮説をあげている。 移住者は高い地位に到達しやすい。転居のコストを払ってまでも移住するわけであるから、それにみあった社会経済的地位をえられる見込みがある場合が多いと考えられる。地元に残っていては仕事がないから移住するという消極的な理由の場合もあろうが、その場合でも地元に残るよりは移

    移住履歴と職業的地位達成 | Theoretical Sociology
  • 復興マシーンとしての場所:巨大ハリケーン後の脆弱性と地域変化 | Theoretical Sociology

    Jeremy F. Pais and James R. Elliott, 2008, "Places as Recovery Machines: Vulnerability and Neighborhood Change After Major Hurricanes.," Social Forces, Vol.86 No.4, pp.1415-1453. 巨大なハリケーンの被害にあった地域のその後の人口構成や富、復興のスピードに関する不平等を論じた論文。ハリケーンのような災害は、自然災害という側面と、人災・社会的災害という側面の両方を持つ。災害時に、貧困層のほうが被害が大きく、復興が困難になりがちであるということは、(日のマスメディアはほとんど言及しないが)社会科学者の間ではよく知られた事実である。これは災害以前から存在する不平等が、災害を通して再生産されたり、拡大されたりするという説で

    復興マシーンとしての場所:巨大ハリケーン後の脆弱性と地域変化 | Theoretical Sociology
    gauqui
    gauqui 2011/11/14
  • スコットランド出身者のイングランド南西部への移住と職業移動 | Theoretical Sociology

    Allan Findlay, Colin Mason, Donald Houston, David McCollum and Richard Harrison, 2009, "Escalators, Elevators and Travelators: The Occupational Mobility of Migrants to South-East England," Journal of Ethnic and Migration Studies, Vol.35 No.6, pp.861-879. スコットランド出身者のロンドン周辺部への移住とそれにともなう上昇移動の程度を分析した論文。地域移動と職業移動が同時に起こることがあるのはよく知られている。都市部は「エスカレーター地域」とも呼ばれ、職業に関する上昇移動が起こりやすい場所だとされている。イギリスに関してはロンドンがエスカレー

    スコットランド出身者のイングランド南西部への移住と職業移動 | Theoretical Sociology
    gauqui
    gauqui 2011/11/08
  • 美食ナショナリズム: EUにおける食の伝統と真正性の政治 | Theoretical Sociology

    Michaela De Soucey, 2010, "Gastronationalism: Food Traditions and Authenticity Politics in the European Union," American Sociological Review, Vol.75 No.3, pp.432-455. ヨーロッパ共同体 (EU) における物保護政策の程度とフランスにおけるフォアグラとナショナリズムの関係を論じた論文。マクドナルド化論に代表されるように、グローバル化に伴い、合理化と均一化が進むという主張がしばしばなされる。そのような合理化と均一化はの領域におけるマクドナルドのようなファースト・フードの隆盛に象徴される。しかし、De Sourcey によれば、それとは逆の動きもある。 EU では EU 圏内の伝統的文化を守るため、特定の品名に関しては、一定の

    美食ナショナリズム: EUにおける食の伝統と真正性の政治 | Theoretical Sociology
  • 貨幣、道徳的権威、信用度の政治 | Theoretical Sociology

    Simone Polillo, 2011, "Money, Moral Authority, and the Politics of Creditworthiness," American Sociological Review, Vol.76 No.3, pp.437-464. 貨幣に関する対立する二つの理論を統合する一般的な枠組みを提出した論文。米国では過去25年ほどの間に、state-centered neo-chartalism と circuit-centered micro-sociology という 2 種類の異なる貨幣論が発達したと Pollio はいう。 state-centered neo-chartalism (国家中心的新表券主義とでも訳すのか、google で検索すると chartalism には 表券主義 という訳語があてられていることが多いが、貨幣国定主義とい

    貨幣、道徳的権威、信用度の政治 | Theoretical Sociology
  • 世界政体の社会構造: 政府間ネットワークのトレンド分析 1820―2000 | Theoretical Sociology

    Jason Beckfield, 2010, "The Social Structure of the World Polity," American Journal of Sociology, Vol.115 No.4, pp.1018-1068. 政府間ネットワーク構造の推移を1820〜2000年にわたって記述することを通して、世界政体理論 (world polity theory) の間接的な検証を試みた論文。世界政体理論は日ではほとんど知られていないが、英語圏では非常に注目され、活発な論争がなされている理論である。この理論は、デュルケム理論を国家(あるいは政府)間関係に拡張した理論である。世界政体理論によれば、国家は、他国との関係を持つようになるほど、政策面で他国に同調する傾向が強まる。人権、民主主義、環境政策などの政策は、国連などの国際組織を通して国家に伝播すると考えられる。世

    世界政体の社会構造: 政府間ネットワークのトレンド分析 1820―2000 | Theoretical Sociology
  • ランダム効果の意味、マルチレベル・モデル、全数調査データ分析 | Theoretical Sociology

    1 マルチレベル・モデルとランダム効果 最近マルチレベル・モデルに関して話をしていて、三度同じタイプの誤解に遭遇したので、この誤解を正しておきたい。マルチレベル・モデルで個人レベルとグループ・レベルという二つのレベルを持つモデルを立てるとする。このときグループは母集団から無作為に抽出されていなければならず、データは多段抽出の形を必ず取らなければならない、と主張する人がいる。もしも、あなたが抽出されていないグループにまでマルチレベル・モデルの分析結果を一般化しようとするのならば、この主張はまったく正しい。例えば近所の学校を30校手当たりしだいに(つまり無作為にではなく)選んで、その高校の生徒をさらにサンプリングして、成績を出身階層で予測するような場合、この近所の30校以外に分析結果を一般化することはできない。例えば、仮にこのデータセットでは出身階層が成績に及ぼす効果が有意にならなかったとして

    ランダム効果の意味、マルチレベル・モデル、全数調査データ分析 | Theoretical Sociology
  • 「経済学と社会学における新制度派」『経済社会学ハンドブック』 | Theoretical Sociology

    Victor Nee, 2005, "New Institutionalism in Economics and Sociology," Neil J. Smelser and Richard Swedberg (eds.) Handbook of Economic Sociology 2nd ed., Princeton University Press, 49-74. 新制度派の解説。経済学における制度派(Veblen, Mitchell, Commons が代表的)が、限界効用理論のような新古典派の理論を攻撃したのはよく知られている。それに対して、新制度派経済学は、新古典派の経済理論を制度の分析に応用した点で、古い制度派とは異なると Nee はいう。新制度派経済学は、Coase の理論のリバイバルであり、ウィリアムソンとノースが代表的な理論家である。ウィリアムソンの議論で最も有名なの

    「経済学と社会学における新制度派」『経済社会学ハンドブック』 | Theoretical Sociology
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    gauqui 2011/08/15
  • 米国の経済的不平等の原因と帰結に関する論文のレビュー | Theoretical Sociology

    Kathryn M. Neckerman and Florencia Torche, 2007, "Inequality: Causes and Consequences," Annual Review of Sociology, Vol.33 No.1, pp.335-357. これもゼミで読んだ論文。米国では第2次世界大戦後に賃金の不平等は減少したが、1970年代の半ばごろから賃金の不平等は上昇し始め、1990年代ごろに安定化した(上昇が止まり、あまり変化しなくなったということだろう)。1970〜1990年代の上昇期では、特に上層内部での不平等が拡大したという。このような傾向は世帯収入でもほぼ同じで、むしろ世帯収入のほうが変化が(つまり不平等の上昇が)大きかった。これは単身者の増加と、夫婦の賃金の相関が高い(高まった?)(そして家族成員すべての教育投資に対する賃金のリターンが増加した)

    米国の経済的不平等の原因と帰結に関する論文のレビュー | Theoretical Sociology
  • アルファ係数:構造方程式モデルと古典的テスト理論からの入門 | Theoretical Sociology

    Michael B. Miller, 1995, "Coefficient alpha: A basic introduction from the perspectives of classical test theory and structural equation modeling," Structural Equation Modeling: A Multidisciplinary Journal, Vol.2 No.3, pp.255-273. 原著論文ではなく、TEACHER'S CORNER というコーナーの記事。アルファ係数の意味などについて解説してある。面白かったのは、確証的因子分析の枠組みでアルファについて解釈してある点。アルファは、質的タウ同値 (essential tau-equivalence) を仮定するので、右側のほうの図のようなモデルを想定していると考え

    アルファ係数:構造方程式モデルと古典的テスト理論からの入門 | Theoretical Sociology
    gauqui
    gauqui 2011/07/01
  • クロンバックのアルファ係数とは何か? | Theoretical Sociology

    J.M. Cortina, 1993, "What is coefficient alpha? An examination of theory and applications," Journal of applied psychology, Vol.78 No.1, pp.98-104. クロンバックのアルファの意味について解説した論文。クロンバックのアルファとは、信頼性係数の一種で、複数の質問項目を加算して何らかの概念を測定する尺度を構成する場合に、それらの質問項目間に内的整合性 internal consistency があるかどうかを調べるための指標である。内的整合性というだけでは曖昧なので、もっとその意味をはっきりと理解しておく必要がある。アルファには5つの解釈があると Cortina はいう。 折半法で得た信頼性の平均値。質問項目を折半して、それぞれ加算して、同じ概念を測る二

    クロンバックのアルファ係数とは何か? | Theoretical Sociology
  • 世界都市仮説 | Theoretical Sociology

    John Friedmann, 1986, "The World City Hypothesis," Development and Change, Vol.17 No.1, pp.69-83. 雑誌の特集の冒頭で、世界都市仮説を概説した論文。Friedmann によれば、国際的な分業に深く巻き込まれ、その中で社機能や金融の中心の役割を果たす都市が世界都市で、ニューヨークやロンドンが代表的である。このような世界都市では、社機能、金融、国際的な交通と通信、ビジネス向けサービス(広告、会計、保険、法務)が発展し、第二次産業の規模は縮小する。これに伴って職業は二極化した分布を持ち、上層では専門職や管理職が、下層では非熟練のマニュアル、ノンマニュアル職の比率が高くなるという。半周辺国では、急速な人口増加のために、地方から世界都市に向かって大量の移民が押し寄せることになる。このような移民は国内で

    世界都市仮説 | Theoretical Sociology
  • 社会経済的地位と学力の国際比較 | Theoretical Sociology

    多喜 弘文, 2010, 「社会経済的地位と学力の国際比較」 『理論と方法』, Vol.25 No.2, pp.229-248. PISA2003を使い、出身階層が15歳の子供の成績に及ぼす影響力が、国の教育制度によってどのように異なるかを分析した論文。出身階層が高いほど子供の成績がよくなる傾向があるのは、よく知られた事実であるが、その効果の大きさと、効果の及ぼし方は国によって異なる。すなわち、出身階層が成績に及ぼす影響は、学校間の平均成績の違いに出身階層の平均値が及ぼす効果と、学校内の成績の違いに出身階層が及ぼす影響に分割することができる。どちらの階層の効果がどのような国で強くなるかが問題になる。 多喜はOECDの学習到達度調査 Programme for International Student Assessment(PISA)のデータを使い教育制度による出身階層の効果の違いを調べて

    社会経済的地位と学力の国際比較 | Theoretical Sociology
  • マイクロ・マクロ・ジェンダー論の可能性 | Theoretical Sociology