――はじめて公立小のPTA総会に出て、あっという間に終わっていた。文句のはいるスキもない運びである。会員席は黙りこくっていて、役員さんだけがキビキビと、別世界の人のように働いていた。(中略) 議案書を見ても、わからないところがいっぱいある。“教えてください”と手をあげる勇気がなかった。それを許さぬ雰囲気が、あの会場に、はりつめていた。――(『PTA歳時記』永畑道子著) 「うちのPTA総会と似ている」と思った方も多いのではないでしょうか。今から40年近く前に書かれた文章ですが(1981年頃に読売新聞連載)、こんなふうに意見や質問が出ない想定で駆け抜けるように終わる形式的な総会は、いまも珍しくありません。 筆者も毎年この時期はPTA総会に出席して質問や意見をしてきましたが、いまだに胃が縮みます。引用した総会ほどではありませんが、やはり決して発言しやすい場ではないからです。大勢が列席しており(先