コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻、エネルギーをはじめとした物価高…。次々と新たな危機が訪れる時代に、経済思想家で東京大大学院准教授の斎藤幸平さん(35)は「非効率でもボトムアップの民主主義の運動がなければ、深まる危機に対処できない」と指摘する。(寺本康弘、山口登史) 身近なところで議論するのが民主主義の第一歩。正月に実家に帰省すると、親戚が集まる中、女性は台所で準備や片付けをしているのに、男性は酒を飲んでいるという場面がよくあると思う。そこで「みんなでやりましょうよ」と言うことから始まる民主主義もある。