(コミックス第1巻を読んでの感想) 少女マンガの伝統的なテーマのひとつに承認の問題がある。コンプレックスを抱えた女の子が、いかにして他者(男性)から承認を受けるのか、そして、そのことによって、いかにして自分に自信を持てるようになれるのか、という問題である。 『まつりスペシャル』の主人公・羽生まつりもまた、コンプレックスを抱えた女の子である。彼女には、憧れのクラスメート(諸角渉)がいるのだが、この男性との関係において、二つのことが問題になっている(二重の問題がそこにはある)。ひとつは、女性として愛されたいという問題と、もうひとつは、個人として承認されたいという問題である(まつりは、学校の中で、他のクラスメートの女子から浮いてしまっている)。 この二つは明確に切り離すことができない問題であり、それゆえに、まつりは、愛する男性から侮辱的な言葉をかけられたとしても、それによって部分的な満足(少なく