友人とのやりとりで「殻を破った百合を読みたい」という話があったので、ちょっと考えてました。 百合作品の多くの割合を占めるのは、女子中高生の関係性や感情を描いたもの、”秘密の花園”的な作品だと言えます。 うん、大人と子供の間の少女の切ない想いや、触れるか触れないかで揺れ動く気持ちは百合の魅力のひとつです。 ここでいう”殻”はそういったイメージの、割合として大きいものを指すこととしましょう。 私は百合がジャンルとしてもっと盛り上がるには、多様性が必要だと考えています。 そういう意味で”殻を破った百合”というのも読みたいですし、面白いんじゃないかと思うのです。 あと、百合専門誌が増えてくれるといい。 でも専門誌が増えるには(売上が見込める)ファンが必要で、ファンが増えるには間口が広がる必要があって、間口を増やすには作品に多様性がいるんじゃないかなぁ。 つまり三竦みの形になるな。 …というわけで、
マーメイドラインという言葉は、ウェディングドレスの一形態をあらわす用語としてよく知られている。体にフィットしたドレスで、膝下から人魚の尾ひれのように裾が広がる。体のフォルムがはっきり見えるのでスタイルの良い女性に好まれる。 金田一蓮十郎は、勘の良い人であれば「結婚式」を連想するであろうこの言葉を百合マンガ作品集のタイトルにわざわざ選んだ。「マーメイド」ではなく、『マーメイドライン』にしたのである。百合と結婚は相性が悪い。少なくとも同性どうしの結婚が法的に認められていない日本において、百合マンガにとっての結婚は比喩の域を出ない。 ところで、この本に収められている「あゆみとあいか」の1はあゆみのウェディングドレス姿を扉絵にしている。しかしこれはマーメイドライン・ドレスではない。2はあいかのドレス姿が扉絵になっているが、バストアップだけでマーメイドラインかどうかはわからない。そうであっても良いだ
マーメイドライン/金田一蓮十郎(Amazon) 金田一蓮十郎先生、初の百合単行本「マーメイドライン」。 百合姫に掲載された3組の話に、描き下ろしとアンソロジー「es」に掲載されていた作品を収録しています。 マーメイドラインは「めぐみとあおい」が3話、「ゆかりとまゆこ」が1話、「あゆみとあいか」が2話から成ります。 描き下ろしは「めぐみとあおい」の後日談。 人間だから、キレイな感情だけじゃいられない「めぐみとあおい」 「めぐみとあおい」は、近寄りがたい美しさを持つ少女・めぐみと、彼女とただ一人話をする友人・あおいの話。 フワフワの髪のめぐみはさながら人魚姫のようで、「彼女にとっての王子様はもしかして自分?」とドキドキするあおいの微笑ましい百合。 …かと思いきや、2話目から周囲の黒い感情も作用して関係はガラリと変わります。 めぐみが唯一話す相手で、仲の良いあおい。 めぐみの美貌への羨望と嫉妬か
管理人:バードチーフ(鳥酋長) 鹿児島にあるひょうたん書店の駆け出し店長が色々と。 あれこれやってる間に、気付いたら店長になってました。 スタンスとしては以前と変わりなくただの個人サイトですので そのつもりでひとつよろしく マーメイドライン/金田一蓮十郎 全1巻 オススメ度:★★★☆☆ 俺これ好き度:●●●○○ (ひょうたん書店通販ページ) 本来はギャグ系作家として知られる金田一蓮十郎による、百合系オムニバスラブコメ作。 これまでの作風とは打って変わったような、時に華やかに、または冷たく切なく、女の子同士の恋愛を優しいトーンで語った内容。大人向けな少女漫画って感じだ。 オムニバス作として、中心に描かれるのは3組のカップル。それぞれ独立した話ながらも、に視点や時間軸を変えることで、あるコンビの恋の行方を別の角度から読ませてくれたり。 短編連作にしては、けっこう
これでいいのか百合漫画(月曜日発日曜日往き) これは非常に面白いエントリ。百合について真剣に書いていらっしゃいます。刺激を受けたので、自分もちょっと百合についてまた考えてみようと思います。 百合作品は一時期低迷していたものの、また最近じわじわ伸びつつあるジャンル。はて、確かに輪郭がぼんやりとした部分で、似たように見える作品も多い感覚はありますが、今後どう伸びていくんだろう? ●百合は分化しつつある。● ここしばらくでかなり潤いはじめている百合作品群。「百合姫」を出している一迅社の頑張りが最近カタチとして浮かび上がってきているのが眼につきます。 その一迅社も、最初は相当あちこちをウロウロしてはいたと思います。どこに向かえばいいんだろう?という苦しみはあったはず。やはり、百合作品というジャンル自体は元からあったものの、漠然としすぎていた上に、女性視点・男性視点がごっちゃまぜになっていたから。
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